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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】 学校の臨時休業、その法的根拠とは

この原稿を書いている1/4時点、
1都3県には再び緊急事態宣言が発出される流れになってきています。

「学校はどうなるの?」というのは、
仕事柄、とてもとても気になるトピックではあります。
ICTの整備が一気に進んだとはいえ、
まだ「現物」が手配できていないところも多いので、
この段階での再びの休校は、
学校関係者は避けたいと思っているのではないでしょうか。

緊急事態宣言=学校は休業?

・・・そんなイメージが強いのですが、
そもそもの3月の全国の学校への一斉休業要請は、
法的根拠という側面から見ると強制力はなく、
あくまで政府(というか首相)からの「要請」でした。

臨時休業の法的根拠となるのは、
「学校保健安全法」及び「学校保健安全法施行規則」なんですね。
新型コロナウイルス感染症は、
学校保健安全法施行規則に規定されている
「予防すべき感染症」の第一種感染症のひとつ。
そして、学校保健安全法によると、
臨時休業ができるのは学校の設置者、
ということは、教育委員会とかっていうことです。

なので、3月の一斉休業は、
政府からの「要請」を受けて文部科学省が通知を出し、
(https://www.mext.go.jp/content/202002228-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf)
各教育委員会が検討し決定した、という流れでした。
なので、休業の開始日や期間が地域によってバラバラだったのです。

そもそも首相の「鶴のひと声」で動かせるものではなく、
法的根拠や手続きが必要な仕組みになっている。
 (これは学校に限らず)
緊急事態宣言も
「法令に基づいて特殊な権限を発動することができる」
と、「特殊な権限を発動できる」とはいえ、
「法令に基づくこと」が必要なんですね。


緊急事態宣言=すぐに学校休業、ではないはず・・・


3月からの一斉休業は、
「人の行動抑制にはインパクトがあったものの、
 疫学的な効果は”不明”」という報告もあります。
これは比較できる前例等がないので仕方がないものの、
秋以降の状況を見るに、影響はあまりなかったのかも・・・?
・・・このあたりの科学的な検証も気になる。
変異種の広がりも気になりますし。


いずれにしても「インパクト」のために
子どもたちを犠牲にはしたくないなぁ・・・
(政治的なパフォーマンスなんてもってのほか)

先が見えない中ではありますが、
感情的な判断ではなく、
データに基づく冷静な頭で考えたいところです。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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