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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】 国の教育施策はマスコミの報道からは見えてこない!

私が学校教育に関わるようになって、
「これはヤバい!」と危機感を感じたことのひとつは、
報道されている教育関連情報を、
結果的には鵜呑みにしてしまっていたことでした。

国の事業(いわゆる「公共事業」というやつ)の
受託者として関わるようになって初めて、
公共事業がどのような経緯を経て予算化され実行に至るのか、
いままで知らなかったことがたくさん見えてきました。
そしてわかったことは、
国や都道府県の施策は、その財源は税金ですから、
かなりの部分が公に公開されているということ。
ナントカ会議とか、ナントカ委員会とかも、
配布物資料の他、一言一句を残した議事録など、
WEBサイトで見ることができるのです。
「パブリックコメント」という、
施策への意見を入れる制度があることも知りました。
 (どこまで機能しているかはともかく・・・)

マスコミが報道しているのは、
そのほんの一部だったり、表面だけだったり、
場合によっては、間違っていることもある、
ということが、やっと見えてきたのです。

例えば。

最新の学習指導要領改訂のニュースを見たときにも、
「外国語」と「プログラミング」だけがトピックとして報道され、
改訂の理念には全く触れらていなかったことに
心底びっくりしたのです。
中央教育審議会の答申をちゃんと読めば、
そこがポイントじゃないことは明白なのに・・・・!

でも、かつては、
「学習指導要領の改訂で円周率は3と教えることに」
というニュースを聞いて、
憤りすら感じてしまった自分が、いたのです。
当時は、本当のところはどうなっていたのか、
一次情報を確認せぬまま憤っていたんですよね。

・・・いま思えば、当時の自分、だいぶヤバかった。
きっといまも、かつての私のように
罠にハマってしまっている大人はいるんでしょうね・・・

もちろん、丁寧に取材している素晴らしい番組もありますが、
日々の速報的なニュースは、
断片的なものが流れてしまう側面があるということを
わかっておく必要がある。

もしも何か関わろうとするのであれば、
自分の目で、一次情報を見て判断することが大事なんです。
物申したい!とかいうのであればなおさらですね。

さて、私がここ最近で
「これは元ネタにあたっておかねば!」と思っていたのが、
部活動の地域移行についての話題です。

関連する情報は、下記にありました。

●運動部活動の地域移行に関する検討会議(スポーツ庁)
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/035_index/index.html
●文化部活動の地域移行に関する検討会議(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/sobunsai/chiiki_ikou/index.html

いずれも提言だけでなく、会議資料、議事録もあります。
 (会議の委員名簿もあります)

文部科学省の中でも、運動部に関してはスポーツ庁、
文化部に関しては文化庁、なのですね。
こうした区別をわかっていないと、
なかなか情報にたどりつきづらいという点が
情報検索のハードルになりそうなこともわかってきました。
マスコミから聞こえてくるのは運動部の話の方が
多かったように感じていたのですが、どうやら、
運動部に関する検討会議の方が早く始まったからのようですね。
運動部は昨年10月から検討会議が始まっているのに対し、
文化部は今年の2月から。
ここもきちんと区別して把握する必要がありますね。

・・・というわけで、
この話題に関しても、じっくり検証してみたいと思います。


松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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