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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】キャリア教育は職場体験だけじゃない

3月からの一斉休校が続いた中、
学校ではいろいろな行事が中止になっています。
授業時数の確保のため、でもありますが、
学校外に出る体験活動がむずかしくなっている面も。
そこで、中学校での職場体験、
高校でのインターンシップの実施もむずかしくなってきました。
全国どこの地域でも、同じことが起きていることでしょう。

文部科学省の実施状況調査(最新は平成29年度)によると、
(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/1340402.htm)
全国の98%超の中学校で職場体験が行われているとされています。
そのため、中学校におけるキャリア教育といえば、
中学2年生で行われている職場体験がメインで、
キャリア教育といえば職場体験という印象も強いと思います。

ですが、それができなくなってしまうことで、起きたこと。

それは、
そもそもどんな目的で職場体験を実施していたのか、を、
あらためて議論する必要性が出てきた、
ということではないでしょうか。


中学校の職場体験は5日間が推奨されています。
「職業」を体験することだけではなく、
地域社会のいろいろな人と関わることや
5日間の中で創意工夫をしたり挑戦することを通して
達成感や自己有用感を得るというねらいもあります。
人と関わることを通して人間関係を深める力や
困難な課題に立ち向かって解決する力を養うことにも。

中学校のキャリア教育の軸には職場体験がありますが、
職場体験が唯一の方法ではないということは、
上記のような「ねらい」に照らし合わせて考えると、
あきらかではないでしょうか。
職場体験と同様、委員会活動や修学旅行での班活動、
部活動や文化祭などの活動の中にも、
こうした力を養成するチャンスがたくさんあります。

職場体験を行うことで得られていた成果をあらためて整理し、
「どんな資質・能力を養うのか」を設定した上で、
学校内の既存の活動・できることの棚卸しをすることろから
はじめてみてもいいのかもしれません。
その上で、職場体験ができない中で何ができるのか、
職場体験にかわる別のプログラムが必要になるのか、
・・・こうして3年間のカリキュラムの再構築を
考えてみてはどうでしょうか。

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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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