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【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】キャリア教育プログラムはどうつくる?

前回のメルマガでは、地域・企業は授業を面白くするネタだらけ、
というテーマでミニワークショップの妄想アイデアをご紹介しました。


キャリア教育プログラムを作る第一歩は、
こうした、アイデアの妄想から始まりますが、
授業として成立させるためには、そこから先、
どうやって教育プログラムにしていくか、が大事になります。
キャリア教育支援人材養成講座では
そうした部分のトレーニングを行うことにもなるのですが、
今回は「プログラムってどうやってつくるの?」の
エッセンスを考えてみたいと思います。

といっても、言語化しずらい部分も多いのですが、
コトバになる部分があるとしたら・・・
キーワードは「ゴール」と「メソッド」でしょうか。
20代を過ごした通信教育の会社で、
この言葉ではなかったかもしれないけれど、
たぶんがっつり叩き込まれた考え方のように思います。


「ゴール」とは、
この教育プログラムが終わったときに、
どうなっていて欲しいのか、どんな感想・言葉を言って欲しいのか。
プログラムの「ねらい」だったり、
授業で言えば「めあて」のようなものですね。

「ゴール」はできる限りシンプルにひとつにすること。
複数の言葉が出てきていたり、
「例えばこういうこと」と具体例がたくさんあるうちは、
まだ検討が足りない証拠です。
もっともっと削ぎ落として考える必要があります。
本当にひとことで言ったらどういうことなのか、
子どもたちや参加者の顔を思い浮かべなら考えます。
チームで作っているときは、
誰が説明しても同じ言葉になるくらい
言葉にこだわることも必要だと思います。


「ゴール」が明確になったら、
そのゴールにたどり着くようにするための決定的な方法、
これが「メソッド」です。
メソッドを考えるには、
参加者の状況や抱える課題を明確にする必要があります。
設定したゴールに対してどんなギャップを抱えているか、です。
例えば、「知らない(知識を持っていない)」
「何かを誤解している」などの原因があるかもしれません。
思わず間違った行動しちゃう落とし穴が
どこかに存在しているのかもしれません。
見えてきた「原因」を解決したり、
落とし穴にはまらないようにすれば
ゴールにたどり着けるということになります。
「知らない」がギャップであれば、
どう楽しく「そうなんだ!」と思えるように知らせるか、
これがアイデアを考える方向性になります。


プログラムにおいては、
ゴールとメソッドが明確になっていれば、
これがコアコンテンツになるので、
あとは、受講する人の気持ちの流れにあわせて
時間の設計をする、というのが次の段階になります。

やりがちな落とし穴としては、
「ゴール」があいまいなまま、
おもしろいやり方に飛びついてしまうというケース。
メソッドがおもしろくても、
全く違うゴールに向かって動いてしまうことになります。

ゴールなくしてメソッドはあり得ないのです。

こうしたことも、
トレーニングで身につけていく思考フレームでもあります。
世の中にあるいろいろなプログラムを
「ゴール」と「メソッド」の視点で分析してみることも、
プログラム開発スキルを高めることにつながるのではないでしょうか。

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松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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