”突き刺さる三本の矢”J1第12節 鹿島(A)vs広島(H)マッチレビュー
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”突き刺さる三本の矢”J1第12節 鹿島(A)vs広島(H)マッチレビュー

AXEL SMITH

鹿島 0 ー 3 広島

 前節のジュビロ磐田戦を快勝で収め首位独走中の鹿島。望外の好スタートを切れているアントラーズではありますが、ACL組のリーグ日程も再開されるためここからが本番ともいえるでしょう。

 対する広島は現在10位の位置につけ、前節レイソル戦こそ敗れたものの4月は無敗とチーム状態は上向き。新進気鋭の藤井や満田といった快速ドリブラーの存在もあり、スキッベ新監督の下堅守速攻の道を突き進んでいます。

○前半

背後のスペース管理に苦しむ鹿島・・・

 鹿島は従来のロングボール前進をメインに進軍。優磨を最優先ターゲットに据えて幾つかのチャンスを演出できたものの、対人戦は得意な広島3CB陣が徐々に制空権を確保。広島の前線も積極的にDFラインへプレスをかけることで、セカンド回収陣形が整う前に蹴らせることに成功。ラフに蹴られたイーブンボールであれば、広島もセカンド回収からロングカウンターに持ち込むことができた。

 前半の出来に関して言えば、広島の方が圧倒的に良かったと言わざるを得ない。鹿島陣内深くまで侵入できれば、ロスト後も前述のプレッシングでボールを蹴らせて回収し二次攻撃。逆に広島陣内まで攻め込まれたとしても、ボールを奪いさえすれば広大なスペースを機動力に特化したWBやシャドー満田を中心に攻め込める。鹿島はしてやられた感が強い。

特に広島の前線守備がうまかったなと思うのが、鹿島SBにボールが入った際の選択肢の制限。周辺のパスコースを徹底的に封鎖し、ロングボールを蹴らせるしかない状況に誘い込んだ。サイドチェンジを出されようと、WBの機動力ならば十分食らいつくことができる。機動力を存分に生かしつつ、組織としてのソリッドさをベースに攻め立てるスキッベ監督のプランは見事だ。

 満田、藤井、柏ら広島における三本の矢が織りなすカウンターをいかに凌ぐか?を鹿島は常に念頭に攻める状態。結果として、38分のカウンターチャンスをしっかりと柏に決められて失点してしまった。自ら運べて、かつラスパスも冷静に出せる満田のポテンシャルたるや・・・・でも、あそこをちゃんと走りこめるから柏好文が彼たる所以というか。サボらないんですよね絶対。老いてなおますます激しい。

前半終了間際には、常本がベン・カリファのラフプレーで負傷。前半こそそのままピッチでプレーを続けたものの、ハーフタイムでの交代となった。

○後半

HT2枚交代で秩序再建を目指す鹿島

 レネ監督はハーフタイムで2枚替えを指示。松村→ピトゥカ、常本→広瀬の交代カードを切る。ボランチにゲームメイカーを2枚並べ、広島の前プレを制し秩序を回復しつつ、地上進軍ルートの開拓を目指す。

 この2枚交代は結果として功を奏したと思う。ビルドアップの再構築に成功し、マイボールの時間が増加。広島も先制したことで、バランスを崩してまで前線で追うことはせず、ブロックを構えて迎撃する方針を取った。

そのため鹿島はマイボールの時間こそ確保できたものの、前進には苦心。狭い相手ブロック間を通すことは困難で、しばしば手詰まりから無理に仕掛けてボールロストに陥る場面が目に付く。綺世、優磨の二枚看板にはキッチリと広島3CBが対応しきった。攻略したい中央にボールをなかなか効果的に差し込めず、結果としてまたもやロングボールに頼らざるを得ない状況へと戻ってしまった。この手詰まり感は、今後の大きな課題にはなるかもしれない。63分には、ロングカウンターからサントスのポストプレーを潰し切れずに満田の抜け出しを許し更に失点。きびしい。

関川の負傷交代で万事窮す

 65分、ジュニオール・サントスの足裏が関川の頭部に入って負傷。一旦は関川もプレーは続けたものの、71分に交代。出血もあったので最終的にドクターストップがかかったのかもしれない。いずれにせよ、この交代で鹿島はボランチ経由での進軍ルートも厳しくなっていく・・・

ピトゥカがCBに落ち、最後方からゲームメイク。ボランチをミンテとアラーノが務めるというこの上ない緊急事態となってしまった。残念ながら彼らに中盤でのゲームメイクを託すのは難しく、攻撃のリズムはより単調になっていってしまった感もあった。

疲労感が鹿島の選手らに見え始め、プレッシングすら機能を失う。79分、GK大迫から始まったビルドアップを塞げずに藤井のドリブル突破を許す。藤井が送ったクロスをサントスがシュートするもGKスンテがセーブ。が、こぼれをまたもや柏に詰められて3失点目。勝負あった。

次節、ホーム札幌戦へ

 惨敗である。残念ながら内容、結果共に広島に軍配があがってしまった。最初から最後まで、藤井・満田・柏らの”三本の矢”を折ることはできずに、やりたいことをやらせてしまったようなものだ。ただ、試合終了まで集中を切らさずにタフな対人守備をやり遂げた塩谷・荒木・佐々木らもまた見事だ。

反撃を!というタイミングでガス欠気味に陥ってしまったのもツライ。次の札幌戦までは日程が明くので幸いだが、連戦で消耗して後半出足が鈍る試合は決してこれだけではないのも事実。ターンオーバーすればええんや!という簡単な問題ではない、というかレネ監督の求めるタスクをこなせる人材がほぼ固定メンツな現状ではどうしようもないっすね(笑)。常本と関川の負傷が長引かないことを祈りますわ・・あとジャッジリプレイは観よう・・・



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AXEL SMITH
チェルシーと鹿島アントラーズを愛し、ウイスキー片手に観戦することが何よりの喜びです。