AXEL SMITH
”強度こそ命”J1第17節 鹿島(H)vs京都サンガ(A)マッチレビュー
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”強度こそ命”J1第17節 鹿島(H)vs京都サンガ(A)マッチレビュー

AXEL SMITH

鹿島 1 ー 0 京都

 代表ウィークでリーグはお休みだったものの、ルヴァン杯で福岡にアウェイゴール差で敗退を喫したアントラーズ。タイトルを1つ失ってしまったうえに、鈴木優磨が福岡戦で負傷(どちらにせよ今節は出場停止)。代表に行っていた上田綺世も負傷により代表離脱と非常に厳しい3週間。両者ともに軽傷で済み、綺世は今節間に合ったのは幸いでした(それとも間に合わせたのか)。3試合勝ち星をリーグでは落としていますが、順位は首位と勝ち点1差で2位とまだまだチャンスは残っています。

 対する京都サンガはここまで昇格組ながら9位と大健闘。前節ではホームで川崎を下すなど確かな力を発揮しています。曺貴裁監督はやはりソリッドで厄介なチームを作ってきますね。結果として勝てはしましたが、もし仮に先制されていたらどうなっていたかはわかりませんでした。1発をモノにしそうな雰囲気はありましたし、萩原や荒木はスペクタクルを起こしそうな予感が伝わりました。

〇前半

セカンド回収と中盤プレスで押し込む鹿島

 前半立ち上がりから両軍がロングボールを多用する展開に。鹿島は前線に普段ターゲットを務めている優磨が不在とあって、ロングボールの送り先はターゲットではなくスペースが主となった。浅めのラインを敷く京都DFとGKの間に"落とす"ボールでチャンスを窺い、実際に決定機を創ることができた。

 とはいえ油断ならない京都サンガ。4分には右CK萩原の低弾道クロスがスペースに飛び込んだフリーのウタカへと渡りシュート。これをスンテがセーブしてくれたことでなんとか先制点を凌ぐことができた。アイディアに富んだ動きに鹿島はまんまとやられてしまったのだが、ここは試合を大きく分けたシーンだったと思う。人への意識が強い(失点したくないという想いの強さ故もあるか)鹿島のセットプレー守備なだけにスペースを空けやすく、ここはまだまだ改善の最中。そこでやられていたら、またかとチームの空気は1、2トーン下がってしまっていただろう。

CKからヒヤリとするシーンを作られてしまったし、ビルドアップでは苦戦を強いられた(京都インテリオールがボランチを徹底的に消しに来た)もののロングボール戦術が割と功を奏したので結果オーライっぽい。とにかくカイキと仲間がセカンドを拾いに拾ってくれたし、実際にファーストを競って起点も作ってくれたりと大奮闘。SHの出来が直結しやすい鹿島なだけに、彼らがキッチリ仕事をしてくれたのがデカかった。

中盤省略以外の進軍ルートを確保できなかった鹿島

 三竿や関川らのロングフィード、セカンド拾ってチャンス作りまでは割とデザインできていたしグッド。ただ、圧をかけられた中盤特にボランチやSB周辺から縦パスを仕掛けられなかったのは残念だ。個々人がしっかり走り切ってきた京都の選手らを褒めるべきでもあるが、ゲームの構成力は削り切られてしまった感が強い。1度敵陣深くまで蹴っ飛ばして相手全体を押し下げてからでないとピトゥカや樋口は時間を貰えなかった。貰えたとしてもゴールからは遠い場所で相手は帰陣完了の状態なのでうーん・・・

この試合においては樋口が前を張り、ピトゥカが後方を担当した。レジスタとしてはピトゥカは申し分ないし、樋口の35分のようなミドルを観てしまっては良い配置や~なんて言いたいところではあるけど、こう、モヤモヤは晴れないというか・・・なんか2人のパフォーマンスはもっと出せそうな気がしてしかたないっすね。インテリオールなんかな、2人とも最適な場所が。

 鹿島のサイドバックでゲームを作れる(ビルドアップの出口になれる)のは広瀬くらいなので、そろそろSBへのパス誘い込みからメッタメタにボールロストくらいそうな気配。安西と常本は使われる側であって使う側ではないタイプであるので仕方ないっす。ただ常本はかなりプレー幅が広がってきているし、攻撃でも目立つようになってきた。確実に成長を感じるし、本人も取り組んでいるんでしょうな。

〇後半

対人と強度で捻じ伏せ京都の攻撃を封鎖

 スコアレスで前半を折り返し、シュート数では圧倒。オープンプレーでいえばそこまで決定機を作らせなかったのは、偏に中盤のプレスが効いたからこそ。てか復帰直後とは思えない仲間の献身っぷりよ。普通に惚れるんだが???

49分には頑張ってきたカイキが報われ、CKから先制ゴールをGET。完全フリーの状態からドンピシャヘッドを叩き込んだ。パワーで抜け出した関川がニアに飛び込んで囮になったのも良かったし、三竿はじめ美味しいところを空けようとスクリーンかけてたのも良き良き。先行逃げ切り型の鹿島にとっては。どんな形であれ得点するのが大事である。

 キジェ監督も失点してすぐに動き、DF長井に代え武田を投入。しかし武田が交代してすぐに脳震盪により無念の負傷交代をしてしまいギアが上がらない状況に。ここらへんはかなり京都からすれば不運だったし、鹿島としても生命線だったプレー強度が緩み始めた時間帯だったので影響が大きかった事象ではあったと思う。

綻びを繋ぎとめたエヴェラウドの存在

 75分に仲間との交代で入ったエヴェラウド。長い離脱からのリーグ戦復帰となったが、福岡戦でもゴールを決めるなど状態自体は良さげ。今日も途中交代で入るとターゲットとして機能し、攻め手を欠き始めた鹿島に大きな貢献をしてくれた。流石に裏抜けオンリーだけでは厳しい時間帯に、前線でタメを作れる彼の存在はマジで有難い。てか、それをやってくれる優磨がいかに大きいか改めて感じたマシタ・・・・

 終盤には単独で鹿島りを行い相手DF2人を背中で抑えるパワーっぷりも見せてくれたし、エヴェラウドはシーズン後半戦割と重要な存在になりそう。

総力戦で制した勝ち点3。次は天皇杯大宮戦。

 ウノゼロ勝利。4試合ぶりの勝利は非常に嬉しいものの、マリノスと川崎も勝ったので順位には変動なし。ひさびさのクリーンシートも嬉しい限りっすね。いやまじでウタカのシュートをスンテが防いで世界線変わったっしょ。

終盤の3枚交代はヴァイラー監督っぽくないな~なんて思いつつ(試合を壊しかねない大胆な用兵策はしなさそうな印象だったので)、土居じゃなくて染野なんやな~なんて思いつつ、シーズン前半を2位で終えられたのは望外の出来じゃないでしょうか。苦しい時期もありはしたものの、首位と勝ち点1差で踏みとどまれたのは素晴らしいっすよ。まだまだレネ・ヴァイラー監督のチーム作りは途上だと思いますしね。

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チェルシーと鹿島アントラーズを愛し、ウイスキー片手に観戦することが何よりの喜びです。