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正しい親父(社長)との話し方。

家業経営者のあわずです。
ボクが「家業」や「事業承継」をテーマにSNSの発信を始めて早2年が経過しました。

今まで100件以上のお悩み相談を受けてきましたが、
家業や事業承継にまつわる悩みランク1位って…
何だかわかりますか?

「親(社長)とコミュニケーションがうまく取れない」
これが圧倒的に多いです。むしろ、ほとんどかもしれません。

そこで大抵の後継者(若者)はこう言います。
「これ以上、話しても無駄。どうせ変わらない…」

このnoteを読んでいるあなたも、
話が通じない社長や上司、分からずやな親や大人に悩まされていませんか?

今回は、そんな人たちに向けて
「正しい親(社長)との話し方」についてお話していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

逃げ回れば今は楽でも必ずツケが回ってくる

そもそもボクは家業を継ぎたくなかったです。
一番の理由は、祖父や親父が敷いてきたレールの上を走らされるのがイヤだったから。

それと同じくらい親父が好きではありませんでした。
なんで好きじゃないの?と理由を聞かれると非常に難しいですが…
そこまで深く話し合ったことも正直なかったです。
(反抗期だったのかな?)

昔から昭和を代表するような口数の少ない頑固オヤジで
家でもテレビで野球を見ているか、ビールを飲んですぐ寝ちゃうかだったので、まともに仕事の話なんてしたことがなかったです。

ただボクは
「いつか継げって言われるの嫌だな…」
「そうだ!起業しよう!」
こんな感じで起業を志し、大手企業からベンチャー企業に転職します。

そうです。ボクが起業したいと思った理由は、意識が高い人とは程遠く、起業して事業が上手くいけば
「家業を継げ」と言われない。
完全に言わせない為の防衛策でした。

そこから今考えると、20代後半に2回だけ親父から
ご飯に誘われました。
1回目は小平市のガスト。2回目は地元の白木屋です。

どうやら親父は「実家に戻ってこないのか?」と聞きたかったようですが、ボクはそれを肌で感じ取り言わせないように言わせないように立ち振る舞いました。

「今の仕事、すごい楽しいんだよねー。」
「転職して起業しようと思っているんだ。」
「当分実家に帰るつもりはないから。」

実家に戻って来い。と言わせないように必死でした。

親父と2人っきりで話せたのは、生涯で3回だけ。
最後に話し合ったのは、病室でした。

ボクのようにいつか話し合わなきゃいけないことを先延ばしにしても、それは問題の解決にはなりません。

今考えると…本当に後悔しています。
親父が向き合う為に時間を作ってくれたこと。
それを聞こうともせずに逃げたこと。

これを見てくださっている方に最初のお願いです。
逃げずに向き合ってください。話し合ってください。

まずはここからスタートしましょう。

モチベーションギャップを理解すべし

では、具体的にコミュニケーションを取るために何をすればいいのか?
まず必要なのは、相互理解です。お互いがお互いを理解すること。

ここで最も理解すべきなのは、モチベーションギャップ(求めているものの違い)です。

親世代と子世代には大きなギャップ(違い)があります。
主にまとめると…3つです。

① 時代背景
② コミュニケーションの取り方
③ 欲求

このギャップを理解しておくと、
親と子供、社長と後継者の間はもちろん
若い社員や一回り年上の先輩社員とも
コミュニケーションが取りやすくなるかもしれません。

※生まれ育った環境や個人の考え方で違う部分もあるかと思いますが、私個人の主観的な意見が入ることを予めご承知おきください。

親世代(50~60代)は「食」の時代

① 時代背景
ボクらの親世代は戦後の家庭(祖父母)の元で生まれ育っています。
特に食べられることが当たり前ではない時代を生きてきました。

だからこそ、食に対するマナー(礼儀)には厳しく育てられてきたはずです。
・挨拶(いただきます。ごちそうさまでした。)
・正座
・箸の持ち方
・お残しは許しません
・悪いことをしたら晩飯抜き

② コミュニケーションの取り方
だからこそ、ボクらの親世代にとって最高のコミュニケーションは…一緒にご飯を食べること。なのです。

以前とある会社で社長が後継者である息子さんと上手く話せないという相談に伺った時に、普段どうやってコミュニケーションを取っていますか?
と質問してみると、こう返ってきました。

「毎日欠かさず一緒に昼飯を食べに行っている。」

ボクの親父も大切な話があるときは必ず飯に誘う癖がありました。
満足な会話がなされていなかったとしても、一緒にご飯を食べている。
それだけでコト足りる”関係”が作られていると勘違いしているはずです。

③ 欲求
毎日ご飯を食べられることすら当たり前ではない。と育てられてきたので、ある意味
「ご飯を食べられること」が幸せの象徴になっていることが多いです。

これは確かにその通りなのですが、ボクら子世代はもっと違うものを追い求めていることが多いです。

子世代(30~40代)は「我慢」の時代

① 時代背景
ボクが今32歳でまさにこの世代なのですが、ボクらの両親は不景気(バブル崩壊後)や地球温暖化の問題、ノストラダムスの大予言などに直面した時代を生きてきた人たちが多いです。
つまり厳しい状況下で我慢をすることが当たり前の時代を生きてきました。

だからこそ、節約や無駄遣いについては特に厳しく育てられてきたはずです。
・水道蛇口の締め忘れ
・電気のスイッチ消し忘れ
・冷蔵庫は開けたらすぐ締める
・オヤツは300円まで
・10円でも安いスーパーがあれば、ママチャリで行く

② コミュニケーションの取り方
そんなボクらのコミュニケーション方法は…
贅沢な場所で時間を共有すること。です。

我慢を強いられてきたボクらにとっては、たまにできる贅沢というのが至福のときになることが多いです。

例えば…海外旅行、高級ホテルでランチ、ゲーム機を持っているお金持ちの友達の家に遊びに行くetc...

「何も考えず無駄な時間を過ごしていたい」という人もいるので、できればずっと寝ていたい。なんていう人も入るかもしれません。

③ 欲求
他の世代に比べるとボクら世代は特に「お金」に関して興味が深い世代かと思います。

起業やベンチャー、投資、節税などお金にまつわる話が好きな人や興味がある人が多く、
「お金を得て贅沢をすること」が幸せになっていることが多いです。

もちろん同じ30~40代でもこんな人ばかりではないですし幸せの定義はそれぞれなので、
あくまでも個人的な意見です。
(でも、結構わかる人いるんじゃないかなー?)

子世代(10~20代)は「価値」の時代

① 時代背景
では、ボクらよりも若い10~20代の子世代はどうなのか?
「食べることに困った」「欲しいものが手に入らない」
こういった経験が少ない世代だと考えています。

加えていうなら便利でモノやサービスがあふれている
時代だからこそ、
自分たちの「価値」を探す時代を生きています。

一昔前までは、アイドルになろうと思ってもなれる人なんて一握りの才能だけでした。
それが今ではYouTuberやライバー,地下アイドルなど…
様々なプラットフォームを通じて活躍できる”場”が与えられ
ある意味、誰でもアイドルになれる時代になりました。

② コミュニケーションの取り方
そんな子世代(10~20代)のコミュニケーションは…
承認欲求を満たしてあげること。です。

一緒にご飯に行くでも、
お金の稼ぎ方を教えてあげるでもなく、
認めてもらえているとわかる日常のコミュニケーションがとても重要になります。

例えば…
・〇〇くん、おはよう!と声を掛ける。
・〇〇くんのおかげで助かったよ。+理由
・〇〇くんじゃないとできない仕事だよ。+理由

③ 欲求
これは自分という”存在”が必要であるということを認めてもらいたい。
簡単に言うと、理由を求めていることが多いです。

「誰でもいいんじゃない。君じゃなきゃダメなんだ!」というのを言葉に”理由”を乗せて伝えてもらいたい。
という願望が大きくなりやすい時代だからだと思います。

誰にでもチャンスがあるということは
みんな平等でいいことのように見えて、裏を返すと
「自分でなくてはいけない理由がない」とも取れます。

「なぜこの仕事をやる必要があるのか?」
「なんで叱られなければいけないのか?」
「どうして自分じゃなきゃダメなのか?」

これを答えられる親(社長)は特に少ないと思います。
なぜか…?それは自分の経験(価値観)を押し付けようとする人が多いからです。

「俺の若いときは…」なんて言い始めたら終わりだよ

特に家業を創業時から関わっている社長(親世代)は、自分の生きてきた時代を乗り切った自負があります。

その経験から自分のやり方をそのまま教えようとする人が多すぎます。
はっきり言いますね。それは”過去のやり方”です。

ちゃんと今の時代背景をお互いに理解したうえで話を進めないことには必ずギャップ(溝)を埋め切れずに
「分かり合えない…」という負のループに陥ります。

そうなってくると第3者の加入でも強制的にしない限り、コミュニケーションを取ることが困難になっていくでしょう。

最後に…

次回は具体的なコミュニケーションをどう図っていけばいいのか?
修復不可能に思える親子や社長と後継者の関係をどう繋いでいけばいいのか?についてお話しできればと思います。

今回は基礎編ですので、
このモチベーションギャップ(求めているものの違い)を理解するだけでも少し心が救われませんか?

「あー。だから、話が通じないんだ。」ぽんっ!


このnoteを読んでいただいて、この状態になっていれば万々歳ですので、少しずつ理解を深めていきましょう。

普段はTwitter(SNS)発信を中心に事業承継問題や家業の経営論をnoteでも熱く語ったりしています。
ぜひ気になった方はTwitterのフォローと評価(コメント)をよろしくお願いします。

最後までお読みいただきありがとうございました!
あわず@家業経営者

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