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『せかいにさよなら』は人生のテーマソング

「人生で一番聴いている音楽って何?」って聞かれたら、僕は間違いなくこの曲を選ぶ。美少女ゲーム『ユメミルクスリ』OPテーマ『せかいにさよなら』である。

(『ユメミルクスリ』は一応18禁ゲームなので、オータムリーフ管弦楽団のバージョンを貼っておきます。原曲も聴いて欲しいけど、未成年、またはそっち系が苦手な人は検索しないでね。ちょっとグロいシーンもあるから)

『せかいにさよなら』は、今に至るまでもう何百回も聴いている。学生時代、どこへ行くときも聴いていた。最初にこの曲と出会ったのは夏だったと思う。爽やかで疾走感がありながら、どこか後ろ向きな歌詞に惹かれた。この曲をipodで延々とループして、学校に置いてあったソファーに寝ていたこともあったっけ。

この曲と出会ったとき、僕は進路に迷っていた。どこにもいけない鬱屈とした毎日。縛られたレールと決めきれない選択。どっちつかずの自分の居場所にこの曲はなってくれた。

「今いるせかいにさよならしようか」というサビのフレーズがとても好きだ。さよならって聞くと寂しかったり悲しかったりネガティブに捉えがちだけど、この曲は「さよならしたい」って感情を肯定してくれることが嬉しかった。

元々「始まり」よりも「終わり」に興味がある。終わりがあるから、始まりがあると思ってるし。どう終わっていくのか。終わるということの意味はなんなのか。それを考えるのが楽しい。(最初書いた脚本も「一週間後に世界の終わりがくる状況での、男女の日常を描く話」だった)

自分の気質とマッチするこの曲を聴くと元気になれる。窒息しそうなとき、息を吹き返せる。人生のテーマソングと言ってもいいかもしれない。

今も「どこにもいけない自分」は「せかいにさよなら」するために疾走している。それは後ろ向きな感情じゃない。後ろ向きな言葉が自分にとって居心地がよいだけ。「夢に向かって頑張ろう」みたいな言葉と「せかいにさよなら」は僕にとって同義だ。全然卑屈じゃないし、むしろ生に満ち溢れている。

希望の捉え方もカタチも、人それぞれ。信じられるものを信じて、好きなものを好きでいて、自分を強く保とうね。

僕は、ちゃんと生きてるよ。毎日パソコンを立ち上げて、新作、書いてるよ。


<『二十年代黙示録』 第6回目>

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