何度聞いてもわからない話 (86/365)
ときどき、何度聞いても内容が頭に入ってこない人がいます。いろいろ角度を変えて質問してみるのですが、さっぱりわかりません。いわゆる、
言語明瞭、意味不明瞭
の状態です。
この状態をすごく意識したのは、もう10年以上前に「秒速で1億稼ぐ」でバズっていた与沢翼氏のインタビューをラジオで聴いていたときです。
いわゆる情報商材で稼いでいる話で、パーソナリティとのやりとりはこんな感じでした。記憶をもとに再現してます。
「なるほど、情報商材に課金して儲ける仕組みを作られたと」
「はい、そうです」
「となると、どんな情報商材を用意するのかが鍵ですね」
「はあ、それはなんでもいいんです」
「そんなことないでしょう?やはり先端のトレンドとか」
「いや、特に気にしません。なんでもいいんです」
「そこはあれですか?やはり秘伝というか」
「本当になんでもいいんです。どこかの記事のコピペでも」
「えっまさかそんなことはないですよね」
「いやいや。だって買ってもらえればそれでいいわけですよね」
「・・・」
他愛のないやりとりなんですが、妙に印象に残っています。ネット上には本当の意味で虚業が存在するんだなと思った瞬間でもあります。
でも、実はこういう会話、自分も結構経験します。私は、新事業開発に取り組む立場なのですが、特に
先端技術を売り込む人
スタートアップ創業者
にこういう感じの人が多いです。
「これは先例のない画期的な技術でして」
「どんな効果があるんですか?」
「飛躍的な性能です」
「具体的にはどんな性能ですか?」
「まだ試作機がないのですが、理論的には従来の1万倍の性能です」
「従来というのは何と比較してますか?」
「従来最高性能の製品です」
「・・・」
「画期的な新事業をご提案します」
「どんなサービスですか?」
「新しいSNSサービスです」
「SNSはすでにたくさんありますが何が違うのですか?」
「情報の安全性が各段に向上します」
「それによるユーザーのメリットはなんですか?」
「情報の安全性が得られることです」
「新しい技術を使ってますか?」
「はい。前例のない画期的なセキュリティ技術を開発しました」
「・・・」
何か言ってますが、何言っているのかさっぱりわからない。「小泉話法」にも通じますね。
なんでこうなるのか。いくつか考えられます。
そもそも言語能力が低い
⇒これは論外ですね。たぶん会話を重ねても無駄です。
自信がなくてはぐらかそうとしている
⇒核心を突いた質問で、一旦会話を終わらせましょう。
例(実話)
「この技術の特許はお持ちですか?」
「あっ、はい」
「いま検索したのですが、ヒットしないのですが」
「・・・」
意図的にはぐらかそうとしている
⇒これが一番やっかいですね。二度と相手したくないです。
例(実話)
「この機会を逃すと競合に持っていきますよ」
「ではそうしてください。高度すぎて私には理解できません」
「・・・」
新事業開発や投資界隈にはよく出没するので特にご注意ください。でも結構な方々がだまされているのですよね。由々しきことです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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