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トヨタの社長交代で思うこと (83/365)

トヨタの社長が交代します。現社長の豊田章男氏はプリウスのリコール騒動の最中、創業家からいわば火消し役として就任し、リーダーシップを発揮して業績の立て直し、モビリティカンパニーに向けた新会社の設立など意欲的な経営が評価されています。

しかし、Teslaの台頭によるEVの進展、当該分野では中国、韓国に大幅に遅れをとっている現状は厳しく、大改革が必要です。佐藤新社長の行く手も茨の道であることは間違いありません。

世界に誇る日本の製造業の衰退は2000年代から始まりました。家電やIT機器、半導体はすでに虫の息と言ってもよいでしょう。新しい産業を生み出すこともできていません。

関連する記事をいくつか書きました。

日本の製造業の衰退は、「経営と政策の失敗」とはっきり言いきれます。
そこで、私の考える製造業再生の処方箋は単純明快で、

技術重視の経営と
原点回帰

です

「技術重視の経営」というと、古いと言われそうですが、技術にこだわりのない経営で成り立つほど製造業は甘くありません。

もちろん技術軸でも進化は必要です。製造業といっても形のあるものを精度よく低コストで作ればよい時代は終わっていて、ソフトウェアとの統合やコネクティッド化、ビジネスモデルの革新が必要です。「統合と進化」です。

これらの改革は表面的には語られますが、実際には「統合と進化」を理解するシステムアーキテクトがいないために、モノづくりの基盤を過小評価し縮小し、「クラウド」、「DX」、「ソリューション」といったキーワードが飛び交う中、空しい開発と衰退が続くのです。

「技術重視」「統合と進化」の経営を進めるには、技術にこだわる人材と、商売にたけている人材の二人三脚が機能します。これについては以下の記事でも書いています。

さて、豊田章男社長は
「私は古い人間。意識的に引かなければいけない」
と言っています。潔い言葉だと思います。

一方、佐藤氏のモットーは
「継承と進化」
そして彼は、開発出身のたたき上げです。

トヨタは日本の製造業の最後の砦です。恐れず大改革を実行していただきたいと思います。他の産業分野の過去の失敗の轍を決して踏まないように。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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