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そしてわたしたちはコインランドリーで笑い合う

5日間、毎日雨が降っていた。

ようやく少し晴れ間が見えた昨日の朝、洗濯をしに行った。


コインランドリーに向かう道すがらパンを買う。

大きな洗濯機に洗濯物を放り込み、椅子に腰掛け、パンをかじる。

浮かんでくることをあれこれと話す。


洗い終わった洋服たちを今度は乾燥機のところに持っていこうと
服を乗せたカートを押し始めたら、
ピーターさんが別のカートを押して走り始めた。

わたしもカートを押して後を追う。

ガラガラと、カートの音が響く。

子どものように笑い合う。


乾燥が終わった洗濯物を取りにいくときも、
ピーターさんはまたカートを押して走り出す。

わたしもまたカートを押して追いかける。


店の一角で洗濯物を畳みながら
「コインランドリーで過ごす時間がこんなに楽しいなんて知らなかったよ」
と口にしたら、ピーターさんは「僕は知ってたよ」と笑った。



この1年、世界中で美しい景色を見てきた。

簡単には訪れることのできない特別な場所にも足を運んだ。


それでもなお、日常の何気ない瞬間にそこはかとない幸せを感じる。



そう言えば、昔見た映画にはよく、コインランドリーのシーンが出てきたっけ。

特別なことが起こるわけじゃない、ただ座って洗濯機を眺めるようなひとコマ。



きっと映画をつくった人たちも、わたしたちも、知っているんだ。


幸せとは何かを。

生きるとはどういうことかを。

人と人とがともに時間を過ごすとはどういうことかを。



大切なものは、今日という日の中にある。




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