坂を上がって

高円寺から 早稲田出て 雑司が谷方面に向うため 途中 芭蕉庵のある坂を歩く だいぶ前に Iと歩いたな その時はちびも一緒に歩いたんだ 5年前の3月だと 思いながら 目白通り出て 左に行き Yさんの自宅サロンへ 足の裏を刺激してもらう Yさんに「風の音は大丈夫?」と訊かれ 「風の音 好きですよ 歩きたくなります」と話す 風の音を聞いていたら 施術が終り 白湯をいただいて 「また 来ます」と言って出て それから目白通りを歩く 風の音で 記憶が鮮明になるようで Iとは数ヶ月連絡取ってないけど 元気にしてそうだなと思って 帰る

昨日Iに電話したら いつもながら 出ないので まぁまたでいいやと思ってたら Iが折り返し連絡してくれたので 店のことと Tの近況など話す Iは簿記2級が受かったと言ってて 「そういうの 好きよな 勉強すんの」と言ったら「そうなんだよ やり始めるとね やりよるんよ」と言ってて そっからいろいろ話したが Iが「ひとに期待されると それについ応えてしまうとこが まだあってさ でもそれは じぶんにとっては 本当は違うと思ってることを してることになるから 逃げたくなるんだけどさ でも 逃げたくもないようなとこもあんだよ」と言うので 「わがままやな」と返事する 「そうかもね」 「器用だよね 期待に応える行動できるって わからんもんな ひとが どう期待よせてるかとか 全くわからんよ」 「Sちゃんは そうだよね だから 周囲とずれた行動しとるというかさ」 「なるべくね じっと座ってるのがよいんだろうな 今はって時にさ でも 立った方が今いい気がするって 見えたら 立つみたいな その見えたほうを 信じてしまうんだよな」 「おれは それは まだ出来んのよ」 「へぇ じぶんの場合はさ 何かに対しての距離がいつも一定に 保つのが通常ペースでさ ひとを見る時に 景色もかなり入ってるくらいの 距離感で 見てんだよね で もっと何かに近づきたいって 思うときもあるんだけどさ やっぱり 距離があるんだよね たまに つまらんなぁとは 思ったりすんだよ」 「それ 初めて聞いたかも 人間ぽいね ちょっと安心したわ」 「つまらんと思いつつも そう変わるもんでもないんだよね」 など 話した まぁ 一番変わったのは Iが話す音が その土地の音になってて それで 時間の経過が わかったということ こっちには来ないだろうから 店で今出している 珈琲の豆を 送ることにする


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?