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紀伊半島はたらく・くらすプロジェクトを体験して

最初は軽い気持ちだった

 「紀伊半島はたらく・くらすプロジェクト」は、地方への移住をサポートするサービスを行う(株)カヤックLivingが、県から委託を受けて立ち上げた企画である。ワーケーションという概念がコンセプト。ワーク+バケーションの造語で、地方で移住体験をしながら、高速のWi-fi完備のワーキングスペースが確保されているので仕事もできる。他の企業もビジネスパートナーとして多数参加しており、ランサーズの新しい働き方Labからも参加者を募っていた。

紀伊半島は行ったことがないが以前から興味があり、バケーションに最適であるのと同時に、ランサーズから仕事も頂ける。私にとって一石二鳥の案件だった。

ちなみに、紀伊半島とは、三重、奈良、和歌山の3県を指している。プロジェクトは1ヶ月くらい行われ、私は三重県の尾鷲に2泊3日で行くことになっていた。

当日を迎え・・・

当日は、新幹線で東京から5時間、三重県は尾鷲駅に到着した。東京-名古屋間はのぞみで1時間半で片道1万円、尾鷲までがJR南紀号で2時間、5千円ほど。

中学受験をしていたので、尾鷲といえば降水量が最多地域と覚えていたが、まさかの快晴。

初日からツアーだったが、まず見晴らしの良い高台にある「おわせ夢古道(ゆめこどう)」という施設へランチに。駅からは10分ほどで、温泉もある。

そこで地元のお母さん(R60のお姉様)達が作る郷土料理の食べられる「お母ちゃんのランチバイキング」を利用した。

これがとても気に入った。

取られた席は見晴らしの良いお座席で、山々とその下に広がる海が見え、麓の町も見える。縁側なのでポカポカ暖かい。

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料理はお野菜中心のほっこり和食。大皿からバイキングスタイルで選ぶのだが、25種類程ある。他にもその時旬の刺身のサービス券がつき、そば、ちらし寿司、和スイーツ、子供向けの唐揚げ・焼きそば・カレー、ご飯や味噌汁もあるし、食後のコーヒーもある。

バイキングで大人1400円。自身が少食なので、全て制覇できなかったのが無念!(上の写真は、最終日にもう一回行った時のものなので、少ないです。)

ここの売りは、旬のもの、地のものを、その土地で食べられる方法で調理されること。また食材もこだわり、なるべく無農薬・無化学肥料の野菜を使用している。なんと贅沢なことか。

尾鷲ツアーへ

続くツアーとして、尾鷲周辺の漁村をいくつか回った。そのうちの一つ、九鬼(くき)は、歴史好きには有名な水軍(海賊のこと)のいたところ。波町港の異名を持つ穏やかな海では様々な種類の魚介がとれる。他の漁村も、絶景や渡船文化などノスタルジックな雰囲気を醸し、アーティストや起業家が移り住んだりしているようだ。

ツアーは夕方から再開し、海女さんの経営する居酒屋で、採られた海の幸をいただいた。

アワビや伊勢海老などの高級食材はもちろん美味だったが、タコは味がしっかりしており噛むほどにうまみが感じられるし、厚切りのカツオの刺身は一切の臭みがない。地元でチャンポコと呼ばれる巻貝やメバルの煮付け、トコブシというミニアワビ、魚介の味噌まで美味しい。とにかく新鮮で、次々と現れる。

もうすでに数えられない、認知できないくらいの魚をいただいている。

ガイドさんのお話

お酒の席でのツアーガイドの方のお話も心打たれた。地元では珍しく東京に行かずに地元に就職し、町興しを成功させ、伝道師として全国の限界集落から呼ばれ、海外の取材も受ける。

ランチバイキングもそうだが、少子高齢化の限界集落を再生させるような「仕組み」を作るということだそうだ。地元の特色を活かした仕事で60歳以上のお母さん達にやりがいを与え、新しい仕事の可能性を提示して移住者を誘致する。

これこそが生きた仕事だと思った。

東京で就職することで「生きた仕事」をしている人はどれくらいいるだろう。

私も東京での就職に難航してランサーズを利用しようとしたクチだが、面白いことは都会も田舎も関係なく起きているという某炎上ブロガーの書いたとおりだと思った。

こんな感じで1日目から食も職もキュンキュンのスタートだったが、2日目は魚を買って捌くイベントだ。

2日目 とれたての魚を捌(さば)く

すぐ近くの漁場で早朝にとれた魚を魚店で買い、九鬼の食堂で捌き、刺身定食としてランチに頂ける。海など釣りをしたことがないので、取れたての魚の美しさ、新鮮さは初めて体験したかもしれない。

地域おこし協力隊の方に初めての三枚おろしを習い、ほめられたのがとてもうれしかった。その方の腕はプロ並みで、匠の技の魚のお造りを次々と出していただき、感動した。同じ三重県の違う市からの移住で、地元の方にも絶賛されていた。

因みに、捌いたのはこちらで有名な鰤(ブリ)の子供。出世魚のブリは名前が次々と変わり、関西ではツバスと言った。関東はイナダか。ツバスがたったの250円で、一匹食べきれないほどの量。定食はツマに大葉、ご飯、お味噌汁、ひじきの煮物、ときわ漬けがついて1500円。先生の造ったサービスのムツや何かの魚の炙り、ガスエビと言われるヒゲナガエビなども刺身で頂けた。とろけるような美味しさ!ここでも自身の少食を恨んだ。

三枚おろしを新鮮な、大きめの魚で体験し、定食がついて、サービスも受けた。さらにさつまいものマヨネーズ風味のフライのお土産までついた。美味しかった、安すぎる!

古民家へ

お腹いっぱいで、自信もついてコワーキングスペースの古民家に戻る。そこで一緒に参加の方が、古民家の管理者の、地域おこし協力隊員にインタビューをしているのを聞いてしまう。

参加者の方は記者さんなので、どんどん話を突っ込んで引き出していく。その手法の鮮やかさもさることながら、協力隊の方の話も心打たれた。

東京の生まれ育ちで、田舎がなく、憧れていたという。私と同じだ。古民家が好きで、この邸宅に縁があり、管理することになり、他にも空き家バンクで尾鷲の家を仲介している。

田舎への憧れから実際に移住するのは大変だ。まだまだ現役の美しい女性だが、東京出身でこういう方がいると頼もしい。

最終日には、見世土居邸宅を案内していただき、最後に夢古道でランチをして帰った。モーニングは 純喫茶 磯 でとったが、この店のインパクトは計り知れない。インスタ映え。

まとめ

とにかく、盛りだくさんの三重。都会には消えてしまった情熱を感じた。























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