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ハロウィンの思い出

小学生の頃によく遊んでいた2人の友達がいる。
近所というほど近いわけでもないけど、家が割と近い友達だった。
友達2人と友達の弟、私の4人で遊ぶことが多かった。
いつの間にかその友達とは疎遠になってしまい、今では幼い頃の懐かしい思い出になっている。

私の家では季節ごとの行事というものはほとんど行われなかった。
クリスマスにケーキを食べるとかもあまりなく(私の誕生日が12/21で近すぎるのもあった)、お正月のおせちとお雑煮くらい。
あとは桃の節句は大体ちらし寿司とか、そのくらいしかないような気がする。
家の飾りつけをするとかも特にない。
だから、ハロウィンは一番実感のないイベントだった。

ハロウィンの存在はもちろん小さい頃から知っていた。
仮装をして「トリックオアトリート」と言ってお菓子をもらって回るのは、子どもの特権と言ってもおかしくない(別に大人がしてはいけないわけでもないけど)。
ちゃんと調べてみれば、近所でもハロウィンに親子で回ってお菓子をもらうイベントは行われている。
それでも、私はそういうイベントに行ったことは一度もなかった。

こういうとハロウィンに何も思い出がない悲しい人間になってしまいそうだけど、思い出は一応ある。
最初に書いた、小学生の頃の友達。
その友達の親は、イベントを大事にする人だった。
普段は使っていない一軒家をハロウィン仕様に飾り付けて、あちこちにお菓子を隠して「探してみよう!」という遊びをしてくれた。
私がハロウィンを体験したのは、そのときが初めてだった。

その2人の友達の親にはかなりお世話になっていた。
今考えると申し訳なくなるくらい。
他の家だとおやつにお菓子が出てくるんだ、とか、お母さんってこんなに子どもと一緒に遊んでくれるんだ、とか、こんなことをしても怒られないんだ、とか。
友達の親で、そんなことを学んだりもした。
私の親が少しおかしいのかもしれない、と気づいたきっかけでもある。
親子仲がよさそうでいいな。親が子どもに歩み寄ってちゃんと話を聞いてくれるのっていいな。そんなことを思っていたような気がする。

私がハロウィンの話を書くことができないのって、こういう事情もあるんだろうなってすごく思う。
ハロウィンを意識してないからいつの間にかハロウィンになっているし、気づいたときには終わろうとしてる。
しかも自分の経験がなさすぎてどんなものかもあまり理解できない。
毎年書いてみようかな、とは思うもののまったく書けない。
いつか書ける日はくるのかな。

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