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春になると思い出す

暖かくなってきて、春だなと思った。

元々春はあまり好きではなかった。
環境の変化が苦手な私は、進級も進学も嫌いだった。
そこに花粉症まで加わったのだから、春が苦手にもなる。
やっぱり春は苦手だな、と思いながら大学四年生を迎える。

春は花がたくさん咲く季節だ。
街の中にいろんな花が咲いていることに気づいて楽しくなる。
花の写真を撮るのが好きな私は、スマホを片手に散歩をしていることも多い。
味気ない景色が続く冬も終わり、色にあふれる春がやってきたのだな、といつも思う。

ぼんやりと高校のことを思い出した。
特に思い入れもなく過ごした高校生時代。
少し特殊な高校だったため、普段の高校生活では同じクラスの人と関わらなくても過ごせた。
そのため同じクラスの人とは仲良くなく、修学旅行も帰りたいなあと思いながら過ごしていた。

卒業式の日はどこか清々として、さっさと家に帰ったことを思い出した。
もうこの人たちと会うこともないのだろうな、と一人で思っていた。
元から同級生と連絡を取るつもりもなかった私は、それから一年後にLINEのアカウントを消し、誰とも連絡を取れないようにしている。
どちらもまだ、コロナ禍になる前の話。

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