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「15年後のラブソング」

原題:Juliet, Naked
監督:ジェシー・ペレッツ
製作国:イギリス・アメリカ
製作年・上映時間:2018年 97min 
キャスト:イーサン・ホーク、ローズ・バーン、クリス・オダウド

 ミネソタ州に身を隠した90年代のインディーロックミュージシャンであると伝えられているタッカー(イーサン)を長年オタク化して追いかけているロンドン郊外大学教授のダンカン。そのダンカンと共同生活をしていたアニー。アニーがタッカーとメールを交わし始めてから、静かに歯車が動き始める。決して、三角関係の話ではない。

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 結婚、離婚を繰り返し4人の子と孫を持ち隠遁生活を演じるイーサンは、かの昔美少年の姿を見つけるのも難しいほど作品の中では甲斐甲斐しく子の世話をし生活感を滲ませた役作りをしている。
 孫に会うためにロンドンを訪れた際その病院で倒れたタッカーに降りかかる自業自得の風景はお可哀想というしかない。
 母親が違う子にベッドを囲まれたタッカーの心情は手放しのうれしさからは遠かった筈。一人駆け付けてこない娘の存在がそれを裏付ける。

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 「ブルーに生まれついて」以来、彼の歌を聞くことが出来たのが、案外とこの作品での収穫だった。
 
 倦怠期のダンカンとアニー、アメリカに帰国するタッカーを見送ったアニー。タッカーは帰国後、長い沈黙を破りCDを制作する。アニーも、また、呪縛を自ら解き未知ではあってもこれまでと違う自分を見つけようと生活を変える。ドラマチックな展開はないが、大人らの恋を日常枠で描いている。

 私はイーサン・ホークが好きで映画館に足を運んだ。作品内ロンドンの風景も旅行を思い出し楽しみながら見た。只、この作品を友人に勧めるとなると観る人を択ぶように見える。
 原作を読んで、もう一度観直したい。
★★☆

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