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言葉を投げる 静と動

 人と会った時、日本人の多くは挨拶の中に会釈が入る。もし、面識がない人であれば言葉は発せずとも会釈はする。

 カウアイ島で宿泊したマリオットリゾートでは、宿泊者も其処で働く方々もとても良く挨拶を交わす、相手が初めて会う人であっても。
 それが、移民の国アメリカだからなのか、それとも、登山ですれ違う時に挨拶を交わすようなリゾート地が醸すものか。その理由は絞れないが、それでも、これはとても心地良いことだった。
 例えば、狭いエレベータに乗り合わせた時、無言で居るよりもはるかに気持ちは落ち着く。
 カウアイ島到着最初の頃、母は慣れず会釈が続いた。それはそれでお国柄が出てかまわない。だが、ほんの少しの勇気でこの気持ちを共有できるとしたら、と考え「英語で云う必要は無いから日本語で挨拶していいのよ」と母に提案した。
 これは正解だった。相手の方も、母の話す日本語は知らなくてもその言葉の意味は状況で通じる。何よりも、おはようございます等の言葉を発する時、そこに笑顔が一緒にあることが大きい。

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