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エッセンシャルワーカー:意味を知っていますか

 久しぶりに教え子から連絡を受けた。
 彼女との雑談後の中心的な話題は大学でのリポート課題が「エッセンシャルワーカーへのインタビュー」でその相手を探しているとのことだった。私は今回その候補からは外してもらい、パートナーをインタビュー候補として打診した。短い期間で知人への根回しとお伺い等の時間も惜しかったというのことが一番の理由であって決してパートナーが最適という判断ではない。

 またも出現するカタカナ頼りの芸がない言葉。
 エッセンシャルワーカーと云って日本人であれば100%通じる言葉だろうか。まだ社会に完全に浸透もしていない言葉を使って大学生に学ばせることに疑問を抱く。
 エッセンシャルワーカーとは、今回(初春から)日本社会全体が行動制限を受けた中でそれでも生活を支える為に感染の危険に晒されても働いてくださった方々を指す。
 これを今読んでくださっている方、或いは家族にそうした仕事をされている事例はある筈で特別な限られた職種を指している訳ではない。
 どの職種も社会には必要ではある。只、今回は仕事の括り方が「必要不可欠な」と敢えて括り直されたことで意識された職種グループだ。
 この中には、ホワイトカラーと呼ばれる職種もブルーカラーと呼ばれる職種も入る。そうしたこれまでの偏った見方が本来是正されるべきで特別新しい概念が入ったきたわけではない。
 コロナ禍において各国国家元首らのスピーチ冒頭でエッセンシャルワーカーへの敬意等で広まった感がある。日本からのみの発信ではなかったことからのカタカナをそのまま借りてのお粗末さ。

 せめてエッセンシャルワーカーの後に( )付でも日本語表現の工夫は出来なかったのだろうか。新しい言葉が世の中に動きを与えることがあるのであれば尚のこと概念のカタカナ英語流用は避けてもらいたい。

 
 

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