見出し画像

「風の谷のナウシカ」

監督:宮崎駿
製作国:日本
製作年・上映時間:1984年公開 116min 
キャスト:(声)島本須美、納谷悟朗、松田洋治、永井一郎、榊原良子、家弓家正

 TOHOでは幾つかのジブリ作品がかかっている。振り返ってみると映画館のスクリーンではどの作品も観てはいなかった。初見はパートナーとは年齢が離れている為、全く受けた印象は異なるのだが大人となった今ではスクリーンから受けるものは然程差はなくなってきている。今回二人意見が一致し「風の谷のナウシカ」を択ぶ。

風の谷のナウシカ4

 文明の身勝手さを受けた自然崩壊、その上マスク無しでは生きられない環境汚染はそれ程絵空事ではない現代のパンデミックや地球温暖化と心情的に重なる。

風の谷のナウシカ1

 背景、原因、因果関係等を全く知らずとも、いや、知ろうとしなくとも誰かが右手を挙げ平和の為に破壊せよの号令に付き従う風景も、また、現実と同じだ。その中でナウシカは共生を目指す。

風の谷のナウシカ6

風の谷のナウシカ7

 どうしても観たかったシーンが二つあった、その一つは腐海だった。
 人々が間違った認識で腐海を払おうとするが、その深い所には緑の森林が長い年月をかけて造られるように、汚染された地球を気が遠くなるような時間をかけても救おうとしている場があった。
 二つ目は、エンディング間際から展開する神話の体現。幼い子らが盲いたばば様の目の代わりになってナウシカの様子を伝えるシーン。

風の谷のナウシカ8

風の谷のナウシカ9

 他のジブリの平和さからすると確かに殺戮シーンが入り異質だ。平和を希求しながらも現実的な描き方がアニメの中で妥協せず描かれていたことを再確認する。

風の谷のナウシカ10

 一番驚いたことは、TVロードショーで観た程度の記憶ながら物語を細かな部分まで間違わず鮮明に覚えていたこと。こうして再鑑賞し今の時代から観ると映画音楽はかなり古めいていたことは致し方ないが(勿論、古くなってもナウシカの幾つかの代表するメロディーのことではなく効果音、場面転換の音楽のこと)やはり作品自体が時間経過に負けないのは監督のメッセージ性かと脱帽。
★★★★





















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?