男ウケを大事にするくらいなら味噌汁で歯を磨く

「それ男ウケ悪いよ?www」

この言葉は私が「恋活じゃ!!!」と躍起になっているときに男女ともどもに言われた言葉だ。

はじめましてこんにちは、すっぴん甲殻類と申します。
普段はTwitterで5歳上同棲中の彼氏との日常や楽しかったこと・愚痴・悩みを呟いています。以前は別のアカウントで書いていましたが移行しました。

自己紹介もほどほどに本題に移ろう。
ちなみに文章を書くのが下手なのでそこら辺は、ぽやっとみてほしい。もしくはこんな記事読んでないでU-NEXTで「ハンニバル」ドラマシリーズを観ることをオススメする。なお、どうなっても責任は取らない。

**女子大という花園の後遺症 **

現在でこそ彼氏という存在がいる私だが、以前は全く男っ気がなかった。
もちろん人生の中で何人かの男性とお付き合いしたりもしていたが、すでにどうやって交際してたかもあやふやだった。 

おそらく大学が女子大だったからが大きい。男性の視線や評価など気にすることなくデカイ声で笑いながら、くだらないことを学校が閉まるまで女友達と語り合っていた日々が楽しすぎたのだ。過去の記憶は楽しい女の花園ライフに塗り替えられていった。戦国時代のローション、国の作り方、人体錬成の方法を真剣に調べていたあの頃は男ウケなんて言葉は存在すらしなかったのだ。

しかし、いざ社会に出てみると男ウケという言葉が主張し始めた。今までは女の園で音姫の演奏を堪能していた私も例に漏れずその言葉に飲まれることになる。

ところが今まで男性がいない中で生きてきたのに突然男ウケを意識して生活するのは難しい。振り返っても参考になるのは乙女ゲームくらいなもの。現実では能力バロメーターは可視化されていないし、会話に選択肢が出ることもなければ、逆らっただけで「俺に逆らうとは…おもしれぇ女」と好きになってくれるお金持ちイケメン俺様男子も存在しなかった。乙女ゲームでは狙った男を逃がさなかった私も現実世界ではモノローグさえ動きやがらない。そりゃあそうだ。あまりの上手くいかなさに時折女友達と集まっては異世界転生してチートキャラになる道はないかと模索した。

幸い行動力はあったので合コンや街コン、友人の紹介で異性と会ったりはしたものの男ウケとは無縁の私に男性は興味を示してくれなかった。そうやって成果もなく終わるたびに「それ男ウケ悪いよ?www」と自分の個性ひとつひとつを指摘されていく。そんなことが続き、疲れてしまった私はそういう場所・状況・異性から遠ざかっていった。

**男ウケってなんだ **

そもそも私を悩ませた男ウケとは何なんだろうか。
現代っ子(死後)らしくネットで検索してみるとわんさか出てきたが、色々な意見が多すぎてよくわからなかった。清楚系黒髪が良いと言い出すと思えば、清楚すぎると隙が無いので駄目だと言ったり、ナチュラルメイクが良いと言っておきながら、すっぴんがブスだと駄目と言ったりする。「じゃあ養殖しましょう!」と声を上げると「天然ものがいい!」と返ってくる始末。結果、ふわふわした男ウケしか理解できなかった。

私がポンコツなのがいけないのか、世間のハードルが高すぎるのがいけないのか、というかそもそもそんな「This is 最高に 丁度いい ONNA(女)」なんてこの世に存在するんだろうか。新垣結衣が5万人いれば解決するのかもしれないが、それはそれでキモイ。新垣結衣は1人だから最高にかわいいのだ。

男ウケ、という言葉や内容が別段悪いわけではない。男ウケする女性が好みな男性だっていてもいいし、男ウケしたい女性だっていてもいい。むしろウケを狙ってであっても努力することは素晴らしいことだ。ただそれを持っていないと悪いことのように強要するのがいけないのだ。男性だって女性に「身長180cm以上で年収600万以上、優しくて塩顔がいい。石油王だとなお可。」と女性ウケする条件を強要されると嫌な気持ちがするだろうから、ここに性差はないと思う。(石油王に塩顔はいないというツッコミはいらない)

**なぜ押し付け合うのか **

男性も女性も異性のウケを押し付けられると嫌な思いをするのになぜ押し付け合うのだろうか。

そもそも異性や他人に人は幻想を抱きすぎなのかもしれない。
私の元カレで「女性は平均体重40kg代でムダ毛は生えない」と言ったやつがいた。実際大抵の女の子はそんなに軽くないしジャングル並みに毛が生えるし、大便でトイレにこもったりもする。ここまで幻想を抱いている人も少ないと思うが、少なからず幻想を抱くものだ。それは異性や他人の考え方・生態など無知な故だと思う。無知だからこそ相手のできることできないことを把握しないまま幻想を高く大きく抱いてしまう。

そうしてお互いに理想を押し付け合いお互いに傷つく。
俺達はなぜお互いを守りたかっただけなのに傷つけあうの?という具合にGLAYと同じ疑問を抱くことになるのだ。

そもそも人間はそれぞれ別々の生き物だから、みんながウケが良いわけもないのだ。みんな新垣結衣にはなれないし、GLAYにもなれない。

**楽になった **

男ウケ・女ウケが無知によるものと勝手に結論づけてからだいぶ気持ちが楽になった。
誰かに「男ウケ悪いよ」と指摘されても「そうか。それよりハンニバルって観たことある?」と返せるようになったし傷つきもしなくなった。

ときに決めつけるのも悪くない。

しかし傷つかなくなったとは言ったが、腹が立たないわけではない。
「ひどい…そんなの私に求められても…ぐすん」が「よろしいならば裁判だ」に変わっただけだ。さきほど決めつけるのも悪くないといったが、決めつけたことで己の中に明確な殺意が芽生えたことは悪いことなのかもしれない。「私のこと何も知らないくせにほざくんじゃねぇ」と自意識が鋭角になった。だが10代の思春期のような尖り具合がこの年にやってくると気力が持たないので、恐らくすぐに鈍角どころか球体へと戻るだろう。

今ならもし「ちょっと隙のある黒髪ロングの清楚系で男を立てる『さしすせそ』を使うすっぴん美人の毎朝味噌汁を作る男ウケするお嫁さんになってほしい」と石油王が私の元にやってきても「うるせぇ!」と反抗し、毎朝の味噌汁で歯を磨くくらいのアバンギャルドさは見せつけるかもしれない。もちろん汚い大人なので数億単位の現金を見せられると「シィーー」と歯の隙間から息を吸ったあと30秒ほど黙る可能性は否定できないし、そのまま受け取りかねない。

話は逸れたが、結局「男ウケ・女ウケを他人に無理やり押し付けるな」という話だ。
色々自分の勝手な見解を論じてきたが、あくまで私の勝手な決めつけと勝手な推測に他ならない。異論がある方もいるだろうが、それは私の知らないどこかで好きにやってくれればと思う。

将来はアバンギャルドなBBAへと変貌を遂げヘッドバンギングで脳の血管を切れさせるという最高に男ウケしなさそうな死因で幕を閉じられれば最高だ。

最期まで読んでくれてありがとう。

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