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SNSは、リミックス時代に。

「いま、SNSでのメインストリームは何か?」と問われれば、それは間違いなく「リミックス」だ。

前回の記事では、TikTokやSpotifyといったコンテンツ提供者側に迫る記事を書いたが、今回はユーザー側に目を向けてみよう。

音楽をはじめとする"コンテンツ"の楽しみ方を、よりユーザーが決められるようになったと同時に、その楽しみ方を共有する場所が生まれてきた中でユーザーの動きはどう進化してきたのか?

その変化を順を追ってまとめたい。

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1.コピーする

まずはコンテンツがあったらそのままコピーするところからはじまる。

例えば、TikTokだったら流行っている音源&振り付けを自分もマネて動画にしてみる。instagramでは〇〇ポーズ(ex.小藪、しゅうぺい、きゅんです)というのが定期的に流行り、多くの人が同じポーズの写真を投稿している。

そこにオリジナリティは無く、一緒であることが「流行りに乗っている」ということになる。すごくシンプルな段階だ。


2.オリジナリティを出す

次に、元あるコンテンツを少しだけ変えて使う者が出てくる。

例えばTikTokでは、大体一緒だけどオチだけが違ったり、誰も来ていないド派手な衣装で踊ったりと意図的に一部だけを改変してくる者がいて、そのちょっとした違いが大きな価値となる。

と、ここまでの流れはSNSに限らず、一発芸、モノマネ、商品開発、音楽など他のジャンルでもよくあることであって、SNSでもこうした流れができるのは極めて自然である。


3.サンプリングする/される

そして、もう一段階あがると他者のコンテンツに自分の持っているコンテンツを入れ込むようになる。

ここで大切なのは「マネして流行りに乗る」ことでは無く、「既存のコンテンツの中で目立つ」ことでもなく、「相手のコンテンツを利用して、自分のコンテンツをつくる(強くする)こと」が目的であることだ。

しかし、それは「1×1=1」のように1つのコンテンツをつくるまでのことしかできない。すでに出来上がっているコンテンツ同士なので、参加方法が限られるし、その使い方に幅がないので爆発的なヒットには繋がりにくい。

そこで、いま支持されているものとして「リミックス」がある。

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4.リミックスする/される

そもそもリミックスとは音楽用語で「既成の完成された曲を、さらにミキシングし直して、長さやリズム・音色を変え、別のバージョンにすること」という意味であり、つまりは元あるコンテンツで新しいものを生み出すことに価値がある。

サンプリングすることとの違いは双方の同意と両得の原理があることである。

では、具体的にはSNSではどのようにリミックスをされているのか?

例えばTikTokでは、「コラボ」という形で他者のコンテンツを使うことができ、そこに自分の持っているコンテンツを入れ込むことができる。

このコラボの機能が出てから作り手でコラボをしてもらいやすい動画コンテンツをつくる人が一気に増えた。

例えば、①自分の意見を言う、体験を話す→相手が目の前にいる感じでその時の状況を再現する ②歌を歌う→ハモリ部分を歌う(ユーザーがメインパートを歌う) ③動画にリアクションする→あえてリアクションをなくす

といった要素を意図的に変えることによってユーザーがコラボをしやすく工夫している。これによって未完成なコンテンツに他者のコンテンツを足すことができるようになり、それによって最初のコンテンツ提供者がいろんな人とコラボをすることができ、結果としていろんな人に認知を広げることができるようになった。

少し前だと、自力でバズらせる、サンプリングされたコンテンツで少ない流入を期待するなどだった状況を、より最初のコンテンツ提供者がメリットを享受しやすい環境となった。



最後に

補足的に書いておくと、SNSの使い方でリミックスが一番いいということではなく、1~4の広め方が確立されてきたことについてこの記事ではまとめている。

この4つの考え方は基本的に、どんなコンテンツ、どんな属性向けにも使えるので、もし、SNSでの認知拡大を狙っている方がいれば参考にしていただければ幸いだ。

このリミックスの考え方はこれからのトレンドになり、1つのフォーマットとして馴染んでいくと思われるので、注視しておきたい。

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