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【展覧会レポート】「民藝」って ~「古き」から学び「新しき」を知る

「民藝」=「民衆的工藝」
民藝の祖ともいうべき、「柳 宗悦」の著書によるとそういうことらしい。著名なアーティストや作家に作られたものではなく、無名の職人のよって生活のものとして生み出されたものたちを指す。

丸ごと「民藝」に触れられる「日本民藝館」からのスピアウト企画がミッドタウンにある、「21_21 DESIGN SIGHT」で開催されている。(この企画で知ったのですが、プロダクトデザイナー 深澤直人さんが日本民藝館 館長に就任していた。その流れで、この企画。

「民藝」に魅了されるポイントとは?

まず先に伝えておくと、やっぱり私には「民藝」の良さにピンとくるものが少ない。。。生活に密着した工芸品という意味では、理解できるのですが、それが美しいと思える感性はまだないらしい。。。(正直、何だかもっさりしていて野暮ったいなあと思ってしまう。。。)

それは自分にそれを感じるセンスがないのか、それともただただ一部の人たちが「民藝はすごい!」と言っているだけなのか。。。笑

柳宗悦の民藝観には共感

でも、展覧会の作品目録に添付されていた「日本民藝館案内」には共感するポイントがいくつもあった。

もとより古きがよいのではなく、よきものが古い時代には必然に多かったのである。そこには今も範とすべきものが甚だ多い。
(中略)
古作品によって美を語ることは、それによって法則を知り、法則によって新しい作品への基礎を定めるためだと言ってよいからである。もし美の問題を過去の歴史に止めるなら、それはただ愛玩的な鑑賞に止まってしまう。私たちにとって大切なのは、むしろ新作品への準備である。

まさにそうなのだ!古きことは、もちろん良い。でも、それにばかり固執して、そこから何を学び自分なりの解釈を付け加えて行かない限り「発展性」を失ってしまう。

なぜなら、時代、時代によって求められているものは変わっていくのだから。

民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」@21_21 DESIGN SIGHT
2018年11月2日(金)- 2019年2月24日(日)

追伸

たまたま同時期に観に行った根津美術館で開催中の「新・桃山も茶陶」からも同じことを感じた。志野や織部といった技法を使った茶道具はその時代ではありえないくらいアバンギャルドだった。(展覧会の中でもそのようにうたっている)

がしかし、そこから我々は何を学び、今の茶道や生活においてどのように再解釈するか?という点に触れているものはないのが残念。

だからこそ、自分ならどうするか?したいか?を考えることが大事なんだと改めて思う。(ということで、来年は一年かけて「アバ茶好み」の茶道具を腰を据えて作るプロジェクトを始動予定!)

新・桃山の茶陶@根津美術館2018年10月20日(土)~12月16日(日)

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