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20161201/旅の中で生きる

parantica sita、パランティカ・シータ。
アサギマダラという蝶の本を読んでいました。

蝶は、魂の変容のシンボルであって、復活や輪廻、回帰の意味もあるし、象徴としての蝶を思うととても力強いものだけれど。生物としての蝶はわたしにとっては、儚さを感じるものでした。

わたしの身近には、魂の象徴が蝶であったりするひとや、何十頭の蝶を毎年育てて羽化させて、放していたりするひとがいて。わたし自身も、ご縁の深い女神様の化身が黒揚羽蝶だったりもするのですが。けれど、わたしは蝶に対して、どちらかというと今まで、そこまで思い入れはありませんでした。

だけど、この、アサギマダラという蝶のことを、偶然みたいに不思議な知り方で知ってから、おかしいけれどもっと知りたくて知りたくて、泣けてくるほどで。不思議な、渇望みたいに。

この蝶は、わたしが今まで知っていた蝶とは違っていて、年に2回も、1000kmから2000kmも、旅をして生きている蝶。なんと、国境を越え、海を渡る蝶なのです。

アサギマダラの名の通り、羽は半透明の浅葱色。時々虹色に光る薄い水色の蝶々。ものすごくきれい。


よく、捕食されずに海なんて渡れるなあ、と思ったら、天敵が少なく、捕食されにくい蝶なのだそうです。その理由のひとつは、幼虫のころから毒草を食べて育ち、成虫になって吸う花の蜜からも、毒になるものを体に蓄えているのだからだそうで。
なんというか、パンクですね。

2日間で740kmもの距離を海上移動するほど速く飛べるとか、力持ちであるとか、長寿であるとか、賢い、体が強い、などなど、およそほんとうに蝶なのか?というような、不思議な特性がいろいろとあるのだけれど。

わたしがとても心惹かれるのはやっぱり、春には涼しい北を目指して、秋には暖かい南を目指して、

ただただ、ずっと旅をしているだけ、というところ。

台風を活用して移動したり、雨が降る前に一気に遠くまで飛んだり、気象をも読みながら旅をしているのだって。他の種の蝶にはない、圧倒的な移動距離。
なんというか、ロックですね。


羽化後、4~5ヶ月の寿命の中で、
小さな体で2000kmもの距離を移動している蝶。旅をしながら子孫を残して、なにも持たず、なにも残さず、ただ旅の中で命を全うする。ただそれだけ。

渡り鳥にはとても強い思い入れがあるけれど、
蝶にそういう魂を感じるとは、思ってなかった。


もしも、蝶になるならば、この蝶になりたいな。

なんだか、もうわたしの魂の一部は、
この蝶の中に入っているみたいで、
夢までね、みました。

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