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大人だって学びたい

大人だってもちろん学びたい

私は兼業主婦をしながら武蔵野美術大学の通信課程に在籍しています。
作家業や育児とのバランスが難しくてここ数年休学をしていましたが、今年の秋から復学する予定です。
世間一般からすると、「今さら大学?」「この歳で勉強?」とかいう人はいるもんです。気にしません。
だいたいは「私ガリ勉なんで!」というと離れていきます。
それでいいんです。

今までのざっとした経歴はこちらのnoteで。

先日ふと通信制のことについてツイートしてみたら、詳細を知りたいというメッセージをいただいたので、雑感を書いてみようと思います。
はじめに断っておきますが、大学の情報などは公式のHPなどがあるので、そういった基本情報ではなく、学生として学ぶ際に感じたことや・体験談をここで書くことにします。

スクーリング

まず、この大学は通学課程と通信課程があります。
どちらの課程でも「造詣」の学士が与えられます。
この二つの違いはもちろん通学するか否かなんだけど、通信制にも必修のスクーリングがあります。すべて通信で完結するわけではありません。
むしろ、他の通信大学と比べると、通学する頻度は高いかもしれません。

例えば、夏に6日間連続で、9:00~17:00のワークショップ形式に近い実技の授業。デッサンとか、油彩・日本画、工芸系だと染織・陶芸・木工、デザインだと三面図を書いて3Dにおこすとか。
それぞれの専攻によって必修実技科目は変わります。

しかもこの授業は1年に1度、「普段は通学課程の学生が使用しているアトリエや工房を夏休みの間、間借りして行う」授業です。
なのでまずはこの授業を受けられるよう、自分の年間のスケジュールを抑えることが一番重要です。
必修科目なので、この単位がないと卒業できません。
夏のお盆の時期に被さることが多いので、法事や子どもの夏休みの預け先など、私は結構苦労して調整したり、スケジュールが無理だと判断したら、休学して学費を節約したりしました。
まず入学を検討している方はこの「必修科目のスケジュールを確認する」ことを最優先でやってください。先輩としてのアドバイスです。

通信の授業とテスト

年度のはじめに、履修登録した科目の教科書や副読本が届きます。
配布された教材を基に、大体1科目につき2~4通ほどの作品または、レポートを提出します。その後年間6回くらいある試験会場で試験を受けて合格すれば単位が取れます。
会場は全国で10か所あります。
東京(吉祥寺校)・札幌・仙台・横浜・名古屋・大阪・広島・福岡・鹿児島・沖縄
です。会場は縁のある?大学の会議室だったり、公共施設の会議室です。
年間の試験日程や時間割が決まっていて、最初にスケジュールを配布されます。 

教員免許や学芸員の認定も取得できる

美術の教員免許を取ることもできるそうです。
別途申込や費用もかかりますが、研修などもあります。
詳細は公式HPを見てくださいね。

通信課程の特徴

・受験がないので誰でも学びたいという意思がある人に開かれている
・入学は4月と10月入学
・様々な境遇、立場の人と一緒に学ぶこと自体が刺激的
・半年単位で休学できるので、仕事、育児のバランスを取りやすい
・有志の学習会がある(デッサン会やグループ展など)
・大学内の図書館・美術館も利用できる(貸出も可能・借りるときはカウンター返却は郵送も可能)

学割がありがたい

・アドビ製品やApple製品など、学割が使える
・美術館や博物館の企画展は割引価格、常設展は無料で入館できることが多い、映画館も学生料金で入れる
・勤労学生控除という控除が使える

個と集のちがい

「これ、わざわざ集まってみんなでやらなくてもいいんじゃない?」と思うストレスがない。
超マイペース人間としては、個々に進める制作や調査などはわざわざ会場に集まらなくてもいいのでは?と思ってしまうので、そういった「疑問を持つことのストレス」がありません。

もちろん本を読むだけなのと、実際コミュニケーションをしながら学ぶというのは得る情報量は圧倒的に違うと思います。
質問も講義ならば、挙手して発言すればいいものを、書面で送る必要があるので、大変手間ではあります。
(ハガキでの郵送または在学生用のオンラインサイトにある問い合わせフォームなどで質問できます)
でも、その場で解決しない、って学問の基本って感じしませんか?

そのため、相対的に「集合して学ぶ」ことの価値は上がりますよね。
そこが「あえて」良いと思うポイントです。
つまり同時性ということに繋がるのですが、この「作品」といったものは時代を越える可能性があるわけです。
この可能性に向けて人は作品を作るのでしょうし、それは野心なのかもしれません。
野心なんてなくても自分にとって必要だからこそ、制作することもできるのですから。

そこで同時性です。
おそらく通学課程であれば、比較的年齢や境遇など、近い価値観をもつ同時代の人たちと一緒に学ぶことができると思います。
そこで受ける刺激の大きさはすごいんだろうな、と通信課程を選ばざるを得ない私としてはやはり憧れでもありますし、未知の世界です。
ただ、だからといって、「孤独感」を感じないでいられる。のはきっと違うんだろうなと思います。
きっといつだって作品と向き合うのは自分ひとりでしょうから。

通信課程は、圧倒的に「孤独」です。
本を読み、本を調べ、文章を書き…とテキストがメインになります。
同志ができても空間を共有してないので、感想を言い合う、とかもありませんね。私の場合はですが。
仲間がいれば良いかもしれませんが、それを求めるならまず通信課程はお勧めできません。

もちろん、有志の学習会やフェイスブックグループでの情報交換などもけっこうあったりはしますので、もしかしたらこれから出会うかもしれません。

圧倒的なちがい

通学課程と通信課程で違う圧倒的なものといえば、「他の学生の作品や学んでいる姿を見ることができない」です。
同じ時、同じ空間にいれば互いに影響を及ぼすでしょう。
それが良い働きになるかどうかはきっと誰にも分りません。
でも、他の人はどうやって課題を進めているか、どんなものを作っているか、は気になりますよね。

点数は気にならない

といったら嘘になるかもしれません笑
そして自分より良い成績の作品や悪い作品を見比べてみたい気持ちはあります。
あと、どんな人が作ったかな?はもっと気になるかもしれません!

これは教員もそうだと思っていて、何度か通信でやり取りした後、お会いすると「こんな人だったんだ~!」と思います。
その点では「人格を含んだ評価」はされづらい仕組みだな。と思います。

早く卒業したい

かというと、私は早く卒業したいですが、中には大学で学ぶことが楽しすぎて25年間在籍している強者がいるそうです。(噂です)
ちなみに在籍可能な年数は1年入学は最長10年、2年次入学は8年、3年次入学は~といった具合です。(詳細は公式へ)
在籍の満期を迎えたら退学となりますが、再入学が可能。やろうと思えば一生大学生やれる!

学費

社会人にとってはここが一番気になるところと思います。
私が通っているところは年間30万円ほどです。
教科書は含まれていますが画材などは自分で用意します。
スクーリングは別途、科目ごとに申し込んで振り込みます。
1日の授業だと1万円くらい。3日間、6日間だと科目によって変わりますが5万円くらいだったような…。
奨学金や教育ローンが使えます。勤労学生控除も利用可能です。

通学課程に編入学できる

通信課程で指定された単位数を取得し、申請すれば通学課程の3年次課程に編入できる制度があるそうです。(ソースは教授ですが、あくまで口頭で教えてもらったので、方針が変わっているかもしれないので、気になる方は説明会などでちゃんと確認してくださいね~!)

浪人して予備校に通い受験勉強をするのなら、この手もありなんじゃないかな~と私は思います。
大学で学ぶために受験勉強をするわけですが、受験勉強は大学に入るための学問なので、それをするなら入れるところ入って自分のやりたい勉強を進めるのもよいと思います。

本当に学問を究めたいなら学部でおさまらないとも思うし、あくまで「課程」の違いだと思うので・・
自分の納得できる「課程」としての「手段」もしくは「道」を選びたいなと思います。

学歴マウントはどの業界にもある

そう、これにつきます。
〇〇大学~でも〇学部か、とか、「〇〇大学でも通信か」とか。
これは実際に言われたことあります。
受験戦争を勝ち抜けなかった、みたいな謎マウント。学歴ロンダリングとか。
どの世界にもあります。気にしない。
そういうプライドや劣等感はどこかに置いていきましょう。

卒業制作・卒業制作展・文化祭

卒業制作はあります。ですが卒業制作展は通学課程とは別の日程です。
文化祭は以前は有志の在校生が大学と交渉して展示スペースを設けていたそうなのですが、来年度からなくなると聞きました。
あと夏のスクーリング時に前年度の卒業生の作品を展示してるのを見ることができました。

最後に

いくつになっても学ぶ気持ちを忘れずに、向上心をもって努力するのは本当に素晴らしいことです。(自分で言っちゃう)
大事なのは自分がなにをやりたいか、常に自分に問うことだと思います。
みんな頑張ろう。私も頑張る。

独学している人たちの雑談サークル

日々独学で学んでいると、たまにどうしようもない絶望感に苛まされる事があると思います。
そんな人たちのサークルグループあったらおもしろいなとか思っているんですが、どうかな?
資格取得や通信制大学、制作など、日々自分と向き合っている人たちの雑談スペースのような一息つけるもの。
ジャンルは問わず、むしろお互いどんな独学をしているかを紹介しあったりして、世界を広げられそうな情報交換できる場が欲しくて。
もしやりたいという方いましたら連絡ください笑

(追伸)

・・・ということで作ってみました!

ご参加お待ちしております~!

サポートは個展の費用や学費・研究のための書籍の購入として大事に使わせて頂きます。他、応援してるアーティスト・作家のサポートにも使いたいです。