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赤鬼はどこにいる

「泣いた赤鬼」という童話を読んだ事がある人は多いと思う。ざっくり言えば何かを得るためには何かを捨てなければならないという話だ。

ヘッダーの写真は新橋にある香川・愛媛の共同アンテナショップ「せとうち旬彩館」のものである。右側のキャラクターは愛媛県イメージアップキャラクターのみきゃん、左側の青鬼は「泣いた赤鬼」の鬼なのだ。彼は放浪の末香川県高松市にその身を寄せたのである。香川にも同じような意匠の石像が飾ってある。

青鬼が高松を安住の地と定めたのであれば、それはつまり元々いた場所も設定されているのではないか。そう思って調べてみた。絵本ではとある山としか設定されていないが作者の出身地である山形県に赤鬼と青鬼の発泡スチロール像があるようだ。一緒にいたらあかんがな。調べ始めて二分の出来事だった。

山形県にある青鬼の像が赤鬼が寂しさを紛らわせるために作ったものだと想定したい。本当は青鬼は香川まで行ったのだ。東北から海を越えて四国、気候も文化も違うし勿論知り合いもいない。しかし青鬼は万に一つも自分と赤鬼に関係性があるのだと知れぬよう一生懸命逃げたのだ。芋煮からうどんへ、高畠城から高松城へ、しょうゆ味の雑煮からあんもち雑煮へ。角餅から丸餅への変化は想像以上にギャップがありそうだがそれでも逃げたのだ、友達のために。

本当は赤鬼のいる二次元から三次元に逃げてきたで締めたかった。

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