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分布と薬効について

こちらは、創薬アドベントカレンダー(Wet)25日目の記事です。 薬物動態は、ADME(吸収、分布、代謝、排泄)とも呼ばれています。今回の記事では、分布(化合物の生体内での動き)をメインで扱います。さらに薬物の動きと薬効との関連について、いくつか例をあげたいと思います。 1. 分布と分布容積分布といえば、分布容積を最初に思い出す方が多いでしょう。分布容積は、動態解析を行うと得られる(客観的ないしは主観的)パラメータです。私達はこの分布容積から、薬物の生体における動きを読み

    • 数理モデルの作り方

      こちらは創薬アドベントカレンダー(Wet)22日目の記事です。この記事は医薬品開発における数理モデルの活用・捉え方に関して私見を述べたものです。現在数理モデルを活用する重要な考え方として、MID3(Model-Informed Drug Discovery and Development)があります。まずは、この考え方について簡単に説明したのち、数理モデルに関して私の考えを記載します。 1.MID3についてMID3(Model-Informed Drug Discovery

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