海外子会社監査
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海外子会社監査

こんにちは!
Audit Owlちゃんです。

筆者も海外子会社の監査を担当した経験があるのですが、日本とは少し勝手が違うこともあります。本日は事前準備・往査時に注意すべき点、そしてちょっとした雑談をさせて頂きたいと思います。

事前準備

海外子会社の監査について、事前準備として特筆すべき点は下記です。

1. スケジューリング
2. 言語の違いへの対応
3. 日本本社の関係部署へのヒアリング
4. 出張の社内手続き
5. 荷造り

1つ目はスケジューリングです。外国だと休祝日や長期休暇のタイミングも異なりますから、そのあたりをリサーチの上で往査の日程を相談しましょう。
2つ目は言語の違いへの対応です。込み入った話をするのであれば通訳をつけるのも一案です。監査ではディスカッションの内容がガバナンス・会計・人事・IT・法務等々幅広くなりがちですので、すべてに明るい通訳さんを探すのは難しいです。エージェントに事情を相談し、できるだけ幅広に対応できる方を紹介してもらい、当日使用する資料等を事前に共有しておくと安心かもしれません。なお、監査人・監査先担当者は英語でコミュニケーションできたとしても、英語が公用語ではない国であれば、社内規程等の内部資料は現地語で書かれていることがほとんどです。筆者は翻訳ソフトを使って格闘していましたが、このひと手間を見越して準備時間に余裕をもっておいた方が良いでしょう。
3つ目は日本本社の関係部署へのヒアリングです。海外子会社の統括・管理を行っている第二線の部門があるかと思います。こちらへ事前にヒアリングすることで知識を仕入れたり、本社の期待・想定を把握した上でそれに反した実務がないか確認したりすることができます。
4つ目は事務作業ですが、出張の社内手続きです。海外出張となると、社内で稟議のための資料作成等、煩雑な手続きが必要となるかもしれません。忘れないように注意しましょう。
5つ目も本筋とは反れますが、荷造りです。海外慣れしている方は問題ないと思いますが、寒暖どちらにも対応できる服装(冷房の効き方が日本とは段違いの国もあります)、現地通貨(タクシー等でカードが使えない国もありますし、食事の際の割り勘にも便利です)、ネット環境(ポケットWIFIやローミングのための契約・設定)、電源変換プラグ(全世界対応のものを買っておくと便利です)等、忘れないようにしましょう。あとホテルにスリッパや歯ブラシ等のアメニティがない場合も多いので、必要なものは持参しましょう。

往査

続いて、往査の際に特筆すべき点は下記です。

1. ノンバーバルコミュニケーションの違い
2. セキュリティ面

1つ目は、ノンバーバルコミュニケーションの違いです。ビジネスシーンでの対応・マナーは当然文化によって異なります。欧米であれば、まず笑顔で握手するのが一般的です。握手に慣れていないとちょっと触れるぐらいのものを想像しますが、結構力を入れて握り返した方が良いです。弱々しい印象を与えてしまうと、信頼できない人というイメージにもつながりかねません。特にご自身が女性で相手が男性の場合、先方が気を遣われる可能性もあるので、差し支えなければこちらから手を差し出した方がお互いに気楽で良いでしょう。その他、訪問国で嫌煙されるボディーランゲージ等、事前に調べておいた方が良いかもしれません。
2つ目はセキュリティ面です。日本と違って、スリや車上荒らしが多い国もあります。ちなみにパスポートについて、筆者はコピーも持参の上、原本はホテルの金庫に入れておくようにしています。ただ、そもそも金庫がないホテルもありますので、その場合貴重品はスーツケースに鍵をかけて保管しています。あと、空港・ホテル・オフィス間の交通の便は事前に確認しておきましょう。特に危険度の高い国に行く場合は、事前に安全なハイヤー会社を選んで予約までしておいた方が良いです。

雑談

ここからは完全に雑談ですので、気軽にお読み頂ければと思います。
監査のため世界中を訪れて強く感じたのが、「英語は一つではない」ということと、お国柄に関するステレオタイプはあまり当てにならないということです。

まず英語について。「英語」というのは一つの言語ではありますが、様々な国の方とコミュニケーションをする中で、とても多様な言語だなと感じるようになりました。
というのも、国、ひいては個人によって、発音があまりにもバラバラだからです。例えばシンガポールでは英語が公用語として使われていますが、華僑系の方とマレー系の方の発音は異なります。もっと言うと、アメリカの中でも、エリアによって発音が微妙に違います。インド系のルーツを持つ方に至っては、日本人がイメージするアメリカ英語とは程遠いです。
世界中の方と話して、自分のヒアリング能力の低さを痛感しました。(筆者の学生時代の)日本の英語教育ではアメリカ英語を中心に教えているかと思いますが、将来的に世界で活躍することを期待するなら、世界中の方と話す機会を作るべきだと思います。ビジネスのための英語学習の話をすると、オンライン英会話ではフィリピンの教師を抱えているスクールが多いですが、世界中の教師がいるスクールを選ぶのがおすすめです。筆者は出張の直前にその国出身の教師を選んで、レッスンをお願いしていました(「来週からあなたの故郷に出張だから、普段友達や家族と話しているのと同じ発音・スピードでしゃべって!」と依頼)。

次にお国柄について。例えば「ドイツ人は真面目」とか、「アメリカ人はテキトー」とか、国によってステレオタイプなイメージがあると思います。こういった一般化って、事前にある種の対策をたてたりするのに便利ではありますが、当然のことながら「(※人による)」なんですよね。ドイツ人でも結構テキトーな方もいますし、日本人以上に几帳面なアメリカ人も多いです。ですので、良くも悪くも、国に基づいて何かを期待したりしなかったりする必要はないと思います。

ここからはあくまで個人的な経験談なのですが、驚いたことを二点、ご紹介しようと思います。
一点目は、海外の方が監査を重く受け止めているということです。そもそも監査先の担当者として出てくる方がかなり偉い(CXOレベル)ことが多く、むしろ下の方に頼んで実態と違うことを言われたら困る、という認識でいらっしゃる場合もあります。日本だと実務的な内容に関するインタビューは部課長・主任等に任せ、よっぽど問題がある場合のみ事業部長(・役員)が対応しているケースが一般的かと思いますので、少し驚きました。
二点目は海外の方も結構残業しているということです。特に欧米だとバカンスを取ったり平日も家族との時間を大切にすると聞いていたので、あまり残業しないイメージがありました。ただ、実際に現地を訪問すると日中は監査対応に付きっ切りでいて下さる上、夜もご自身のルーチン業務をこなす方も多かったです。日本からメールをした際も、時差を考慮しても深夜に返信を下さるケースもあったので、一概に海外では勤務時間が短いという考え方は誤ったイメージなのでしょう。

以上、海外子会社監査にまつわるあれこれでした。
今日のところはこんな感じで。
ご覧頂きありがとうございました!

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ありがとうございます!
フリーランスの内部監査人です。監査関連の小話をつぶやきます。