ダンジョン飯読んだけどすげーなって話。

ダンジョン飯の最新刊9巻読みました。
物語は核心へ迫っている。ほぼすべての登場人物の過去や目的が明るみになってきた。


ファンタジーのモンスターを食べる話をよくぞここまで掘り下げて広げたと思う。すごい。


※めっちゃ話すけど100%ぼくの想像なので話半分で聞いてください※



--------------------------------------------------------------------------------------


マジで最初は作者の趣味で描いてみましたーっていう良い意味での同人的内容だったと思う。内容も「モンスターを料理して喰う」がメインで「なる早で妹を救う」という理由は後付けだったと思う。
(後で知ったけどダンジョン飯が作者の人の初連載作品なんですね。なるほど。)



漫画に人気が出て話が続くと、より世界観を掘り下げなきゃいけなくなるんだけど「モンスターを料理して喰う」が目的の漫画だったからその先なんかほとんど考えてなかったと思う。(※これは作者の性格によって変わる)
考えてたとしてもぼんやり「狂乱の魔術師がラスボスなのかな―」くらい。

この〝話を広げる〟という工程がめちゃめちゃ難しい。
漫画を飽きさせないように描く重要ポイント1だと思う。
こういうのは大体規模が大きくなると設定の甘さや浅さでボロが出る。



でもこの作者の人は、その設定を掘り下げるのが超上手い。
この漫画自体「モンスターの構造とかを考察して料理する」というある意味の設定の掘り下げだし、そのやり方で「ダンジョンの存在理由」を掘り下げて、「ダンジョンと人の関わり方」掘り下げて、「狂乱の魔術師の目的」を掘り下げて、それを関連付けた。


(動く鎧とミミックの考察はうおーやべーすげーって思った。)


--------------------------------------------------------------------------------------


同時にキャラも掘り下げた。話的には主人公がダンジョンを攻略しないといけないから「主人公の人柄や過去」を掘り下げて、「その仲間の設定や人柄」を掘り下げて、それを繋げた。
結果、初期はモブキャラの「モブ山モブ男」くらいの存在感だった主人公が「ライオス」になった。


(まあ「モンスターを料理して喰う」が目的の漫画だったから初期は特にそこに力を入れてたってのが主な理由だとは思うけど。)


--------------------------------------------------------------------------------------


あと、こういう系統の漫画は、ずーっとワンパターンだと読者が飽きるので、何か変化を加えないといけない。

大体はキャラのエピソードを挟んで登場人物に深みを与えたり、新キャラを出して新鮮な風を与えたり。

ここの加減が難しくて、キャラの話ばっかりだと漫画のコンセプト「モンスターを喰う」から外れて、そこが好きだったファンは離れるし漫画のオリジナリティが失われてただの人間関係漫画になる。定期的にモンスターも喰う必要がある。

巧い塩梅で読者を飽きさせないようにする必要がある。
ここが漫画を飽きさせないように描く重要ポイント2だと思う。


(場合によっちゃあ「方向転換」もするけどそれは割愛します。)


--------------------------------------------------------------------------------------


作画に関しても最初はエルフの魔法使い「マルシル」を描くことが最大のモチベーションだったと思う。他に比べて作画の気合の入り方が違うなという印象を受けた。

これも漫画の人気が出て話が続くと気合が入って全体的に画力が上がる。
2巻あたりからはシンプルながら背景がほとんどのコマに入るようになり、3巻からは気合の入った背景になった。(アシスタントさん入れたのかなあ。)
そこからは右肩上がりに質が上がっていく。元々絵も上手い人なのでやばい。すごい。


--------------------------------------------------------------------------------------


全体的に上手く「進化」したとても上質な漫画だと思います。


※100%混じりっ気なしのぼくの想像ですけど。
上質な漫画という点は事実。


一番気になるのはこの「進化」を〝連載しながらやったのか〟という話。
それが事実ならまじですごい人だと思います。まじで。剛の者。


ぼくも漫画家やってるので見習いたいです。

KILLER'S HOLIDAYって漫画です。興味があったら是非読んでください。

/http://micromagazine.net/comics/11738/

画像1



そんな感じです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?