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【福岡】最所 徹太郎さん

活動地域 :九州全般を主に全国~海外
資格:国家資格キャリアコンサルタント/第1種衛生管理者/ほめ達検定/ユニバーサルマナー検定/ビジネスマネジャー検定/他技術系資格など
経歴:①マツダ(株)/正社員
   ②トヨタ自動車(株)/期間従業員
   ③富世グループ/派遣社員から正社員へ
   ④(株)ジャパンクリエイト/正社員
現在の活動内容 :①キャリアコンサルタント
         ②労働者派遣事業
         ③有料職業紹介事業
         ④ヘッドハンター
         ⑤外国人労働者斡旋etc.
現在の働き方: フルフレックス

インタビュアー:
三好真代

ーー最所さん。LECキャリアコンサルタント養成講座修了生の先輩として、資格取得に向けた自主練習や学習会では大変お世話になりました。最所さんの提案型ロープレが当時のわたしにはとても刺激的だったことをよく覚えています。当時もお忙しそうでしたが、お仕事変わられたようですね。

そうですね。当時は富世グループで働いていましたが、管理職の性質が強くなってしまって。もっと外に出て、人と接する仕事をやりたいという気持ちが強くなってですね。年齢も42歳だったし、転換するなら今しかない、と思い、昨年転職しました。


外国の方には従来のキャリアコンサルティングが通用しない。そう来たか!となる。文化風習の違いは大きい。

ーーでは今のジャパンクリエイトでは、外に出て派遣、職業紹介に・・・ヘッドハンターもされているんですね!今の働き方を教えていただけますか。

ヘッドハンターは、企業から「あの人が欲しい」と指名が入りますので、その人を口説きにいくということをします。働き方はフルフレックスですね。外に出ることも多いので、勤怠報告や仕事の報告はもちろん必要ですが、どちらかと言うと働き方より結果を求められる、かな。一週間くらいから、海外に外国人労働者の面談にいくことも多いです。

ーー海外のどこの国に行かれていますか?外国人との面談について、どのように行っているのか、教えていただけますか?

海外は、東南アジアやベトナム、インドネシアあたりで活動しています。これから韓国、中国、アジア圏中心にもっと広げていく予定です。

ベトナム国家大学「ホーチミン市校工科大学」と提携していて、日本企業で働きたい学生と面談し、高度技能系グローバル人材として日本に送り込む、という仕事をしています。エンジニア系、理系の人材が多いですね。日本語や日本文化・ビジネスマナー・専門技術を教育するプログラムがあって、彼らは4年間かけて日本のことを学んでいます。卒業の暁には日本の企業への就職ができる、ということですね。


ーー「この人が日本に連れてってくれる!」くらいの勢いで最所さんと対面するんでしょうね!外国の方ってどうです?

そうですね、どうしてもやっぱり文化風習違うところがありますよね。キャリコンするにしても、日本の方だとこういう流れ、っていうのがある程度あると思うんですけど、まぁ、それが全く通用しない。そうきたか!というようなことがありますね。

ーーそうきたか!とは?頭の中の思考回路が違う、ようなイメージでしょうか?

そうですね。どっちがいい悪いっていうのは置いておいて、日本の方は仕事、会社を優先する傾向がまだまだあるじゃないですか。そこが違いますよね。東南アジアの方は、家族、プライベートが絶対優先。仕事は二番手で考えますね。

ーー新卒で母国を離れる学生さんが、プライベートを優先にする上で求めることは何でしょう?

例えば家族に何か出来事があった時とかは1か月くらい仕事をほっぽってでも帰る、とか。日本で働き方改革、とかいいますけどね、とはいえ、わたし自身はビビると思いますね。これだけ職場から離れたら自分の居場所がなくなるんじゃないか、みたいな。

ーー1か月いないと職場に戻れなくなるかも、という感覚が、労働者側に無いんですね!それができる会社かどうか、が問われますね(笑)

そう、全くないんですよ!それはそれでしょうがないっていう。そうゆう文化、ということですよね。

ーーその国の企業では、いつも誰かが抜けてる、みたいな状況なんですかね?日本もそんな風になると、働き方改革は一気に進むでしょうね。受け入れる企業さん側はそういう文化を理解しているんですか?

理解してくれる企業さんもありますが、やっぱりまだまだ、日本のやり方に合わせろ、という企業がほとんどですね。「なんて人材紹介してくれたんだ、そういうこともちゃんと教育しておいてくれないと困るよ」って、入社後にクレームになることもありますね。

外国人の積極採用を行っている企業の中には、そういう外国の文化・風習を理解して、柔軟に対応するところもありますが、それはその労働者の能力に依りますよね。いつもしっかり能力を発揮して貢献してくれているなら、という感じで。


ーー労働者として、日本の方と外国の方の違いって感じますか?

人それぞれ、と言ったらそれで終わってしまうんですけどね(笑)外国の方もバシーっと誠実に仕事する方はたくさんいて。日本人より絶対いいよね、っていうくらい評価される人もいるし。日本人だから、外国人だからっていうのは、実際ないですね。
あ、でも外国の方はやはりプライベートと仕事の区別っていうのは、はっきりしてますね。残業しない、とか、契約にないことはしない、とか。


仕事・就職先を絶対に決める!退路を断つ信念が信頼を生み、長期的フォローを可能にする。

ーー事前アンケートで、「大切にしている信念、目指すこと」として、「私のところに来た相談者は、全て仕事・就職先を決める!」と書かれてますね。これ、すごいなぁ、!と思って。

人材派遣の業界誌に掲載されたデータの中で、クライアントから挙がっているネガティブな意見、改善が必要だとされる意見で、「ただ寄り添うだけだった」「話しを聞いてくれるだけだった」「誰でもできるような提案だった」とかが挙がっていて。そして要望として、「具体的な仕事に繋がる提案が欲しかった」という声が多かったんですよね。そうか、なるほどなぁ、求めてるところはまずそこなんだ、と思いましたね。もちろん、まず寄り添う、というのも大事ですけど、行くつく先は、最終的に仕事を決めることが大半の求めることなんだなと。じゃあ私はそこに特化しよう!と思ったんです。

ーー「仕事」をすること自体、ライフキャリアの一部となっていますよね。どんなに気持ちに寄り添っても、「働くこと」を外して考えると本質的な支援はできないように思います。沢山の方たちのキャリアコンサルティングをしてきたと思うのですが、最所さんが「特化」する支援を行う方法として、気を付けていることはありますか?

そうですねぇ。現実は現実で分かってもらわないといけないので、そこをどう伝えるか、ですね。基本的には遠まわしには言わずに、ストレートに伝えることが多いです。

あなたの考えを否定することはありまん、それはそれでいいかと思います。ただあなたが目指していることが「○○」であるならば、「★★」をクリアしないと辿り着けないのが現実です。あなたが「★★」をどうしてもできない、と言うのであれば、目標を変える必要があります。それが現実です、と。

例えば、正社員を目指す方がいるとして。今すぐはスキルが足りなくて正社員になれそうにない、と。まずは派遣を経由して正社員になる道があることを伝えて、スキルを獲得するステップを明確に示します。このステップをちゃんと踏めば、必ず正社員になれます、私が約束します、と言い切ります。私自身に逃げ道を作りません。


これは決して私が偉そうに言ってるんじゃなくて。私は日々企業の人事担当の方と話をしていて、企業がどんな人材を欲しがっているか、逆にどんな人材を嫌がっているか、聞いているんです。ある意味近道を伝えているだけなんですよね。

ーー企業が欲しがる人材、欲しがらない人材って、なんとなく共通していたりしますか?

広い意味ではコミュニケーション能力というところでしょうね。実務能力だけ長けていても、コミュニケーション能力がないとちょっとそこはね、っていうところは共通してますね。企業の方針が必ずあるので、その方向性に則った形で、なおかつ成長するために自律的に動ける人、が求められますね。

ーーキャリコンの回数って、1回ですか?

人によりますね。その方の性格によって、段階を踏んで進めるか、1回で展開するか、判断しています。

ーー複数回数のキャリコンが可能な環境は、有難いですね。継続的フォローができる。「人の判断」ってすごく難しいなって思うのですが、最所さんは早い段階でこの人はこういう性格、とか、こういう気質がある、とか、見抜けますか?

いやぁ、そんな簡単ではないですよね。どんな人間も裏の顔も表の顔あるので(笑)明確な判断基準は無いんですが・・・経験、としか言いようがないですね。あとは、約束を守る、とか、守れなかった時の対応、とか。そういうところから入社してからの仕事の仕方も見えてきますよね。あと、前職をやめた理由とかですね。どんな会社も良いところ悪いところありますからね。「前職でいいところなかったの?」って聞いて、何も言えない人はちょっと、ですね。

ーー面談したときに、ちょと難しいな、違うな、紹介できないなって思ったときはどうしますか?

そういう時は現実をあえて伝えます。それに対して自分の考えがあるとか、反省するとか、しっかり受け止める反応があれば、次につなげることができるかと思います。でもその時に、いや、何が悪いんですか?みたいな反応だったら、そういう方はちょっと難しいかなと。

その場合は、しっかり指摘をした上で、自分の考えるように自由に動いてもらったりします。すると、痛みを経験して、帰ってくるんですよね。やっぱり最所さんの言う通りでしたって。もう1回私にチャンスもらえませんかって。


ーー帰ってくる!それって最所さんがちゃんとその方の直すべき所っていうのを指摘していたからこそ、痛みを経験したときに自分で気づけるっていうこともありますよね。信頼関係ができている証拠ですね!



人に会うことが自己研鑽。自分の引き出しをいかに増やしておけるかが、新たな相談者の支援となる。


ーー自己研鑽の方法として、「老若男女、出来る限り多くの人々とコミュニケーションを取る!」と書いていただきました。多様な属性の方と接することにメリットを感じますか?

15年人材業界にいても、未だにこんな奴がいたんだ!って驚くことがやっぱりあるんですよね。同じような事案でも答えが一つではないですし、いかに多くの人と会って自分の引き出しを増やしておけるかが、結果、新たに支援する方の役に立つと思います。

ーー仕事以外でも多様な人に会う機会を持つようにしているのですか?

基本的には会える人には皆会う、ということをしています。小さな子どもにしても、普段話す中でこんな考え方があるんだ、なるほどなるほど、と、発想に驚くこともあります。子どもから勉強させてもらうことも多くて。

年配の方からは古い考え方も聞いたりしますが、そういうこともインプットして私の引き出しを増やします。


ーー引き出しを増やすために人と話すときは、全て受け入れる感じですか?クライアントに対する時とは違いますよね?

そうですね。一つこんな考え方もあるんだなっていう意味で。それを肯定するとか否定するとか、自分の考えに合う合わないは置いておいて、ですね。もしこういう方がリアルに相談に来た時はどう対応しようか、この場合は誰にリファーすればいいか、とか考えてみたり。

ーーじゃあもう、日々自己研鑽ということですね。



化ける人がいるんですよ!「人生変わりました!!」って、言われる瞬間の感動は、快感です!!


ーー最所さんが人材業界で「やりがい」と感じる部分を教えていただけますか。

化ける人がいるんですよ!その時の感動ですね。例えば中卒で”やんちゃ”しかして来なくて、面接に 半袖Tシャツ短パンで来るような、いわゆる型にハマっていない奴がいて。初めはマジかっ!って思うんですけど、きちんと指導して、ステップを踏ませて、結果、大手の正社員として就職して。「最所さんのおかげで人生変わりましたっ!」て言ってくれた時の、あの感覚は忘れられないですよね。こちらこそありがとう!感動をもらった!って。ほんとに快感ですね!

ーーすごいっっ!!それは本当に嬉しいですね!!鳥肌が立ちました!本人のやる気を引き出し、エネルギーのベクトルを社会に貢献する方向に向かわせることができるのは、きっと、最所さんの「信じる力」が大きいからなんでしょうね。

私自身が期間従業員や派遣社員を経験していて、そこから 一部上場企業の正社員として働いた経験まであるので、フレキシブルに対応できるのかなと思います。「どうせ最所さんみたいな人たちには、うちら非正規のきつさ分からんやろ?」って、初めは言われたりするんですよ。でも「ちょっと待て!俺は派遣上がりぞ!」と言ってやるんです。「俺も派遣社員で、お前らと同じように面接受けて、最初2ヶ月間保険も入られずで、時給900円から始まったんやぞ!だけん分かる。一緒にがんばろうっ!」って本気で言える。

ーーそこでグッと気持ちを掴めるんですね。最所さん自身が、不安で見通しがつかないでいる相談者の、まさにロールモデルとなっているのですね。

「今のままじゃお前そのままで終わるぞ、それで良か?お前が変わる方法は分かっとるけん言よっとたい!」って。最初に目標や、どうなりたいかを聞いて。じゃあ一緒にどうやっていくよって、手段を考える。

ーー最所さんに伴走してもらえたら、心強いだろうなぁ。最所さんの熱量が伝わってきます!


私自身、まだまだ発展途上。相談者によってもっと変幻自在に対応できる、カメレオンのような人間になりたい。

ーー最後に、キャリア支援に携わる方へ、メッセージをお願いします。

私自身がまだまだ発展途上なんで、人に何かメッセージを送れるっていうことはないんですが。。

ーー発展途上なんですね!最所さんがご自身で発展途上と思うところはどこですか?

自分のやってることが全て正しいというわけではないと思っています。一人ひとりに”はまっている”とはまだ思えない。私自身が、いい意味でのカメレオンにならなきゃいけないのかなって。もっとフレキシブルに対応できる人間になりたい。私がこうしたらいいよって言ったとき、私の「圧」に押されて動いてる人もいると思うんです。それが単なる「圧」じゃなくて、スッと本人の中に入っていくような形でより良い支援ができればって思いますね。

キャリコンには正解がありません。キャリコン一人ひとりのアプローチがあっていいと思う一方で、変に自信を持って過信に変わらないようにしないと、ですね。やっぱり相性もあると思うんです。どんなに頑張っても絶対に入り込めない、生理的に合わない人は存在する。そこはもうリファーですね。相談者側に問題があるのではなく、自分の領域ではないから、リファーする。その判断ができることと、リファーできるネットワークを作っておかないといけないですね。

私に対する評価も、ある意味『答えはクライエントの中にある』です。『最所って、変な奴だな』って思った方は、逆に怖いもの見たさや好奇心で、相談に来て頂けたら幸いです。

ーー最所さんの熱いお話しに、心が温かくなりました!一昔前の、熱血教師を彷彿させるような「人間らしい仕事」に、これからもAIには絶対に取って代わられることのない人材業界の希望を感じました。貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!


最所 徹太郎さん(左)と<インタビュアー>三好真代(右)

▽<今回のインタビュアー>三好真代の記事はこちら


これまでの経験で、なんとか自分の役割に気づくことができました。与えられた役割を全力で全うするため、「わくわく」と「ドキドキ」のど真ん中を走ります。 サポートでの勇気づけ、素直に嬉しいです\(^o^)/