言葉でえがく

最近のこと

 新卒から働き続けていた職場を1月で辞め、2月いっぱいをリフレッシュ期間、そして3月から新しい環境で仕事をはじめたこともあり、思っている以上に目まぐるしい2020年を過ごしているところで。
 落ち着く間も無く世間はコロナの話題で持ちきり、しかし自分は今の環境に慣れることで頭と身体がいっぱいで、これまた文章とは程遠い生活に……

なんか、今めっちゃ書けている。

 二次創作だけど。
 ここ数年で一番書いてるかもしれない。モチベーションの高さに関して言えば昨年の逆噴射小説大賞の時期を遥かにオーバーしている。

 昨年12月末から、とあるジャンルのオンリーイベントのための原稿に着手し7〜8万字くらいの小説を書き上げた。家で出来ない自分は毎日仕事終わりにファミレスで作業。人生初の製本。この件に関してもちゃんと記事を書きたかったところなんですが、怠惰な性格ゆえにこのザマ。
 表紙担当の方や組版してくれたクリエイターさんたちには頭が上がらなかったし、なにより最高の本が出来たこと、形に出来たことがすごく大きな自信に繋がっている。
 のが、2月初頭の話。

 今お前は何を書いているんだって話ですが。見事に腐った沼に回帰してきました。ただいま心の故郷。
 元々自分は二次創作BLで黒歴史を塗りたくって来た人間だったんだけども、もうかれこれ何年書いていなかったのか思い出せません。最後に「書くほどハマった」カップリングがなんだったのかもおぼろげ。過去作を読めって?死ねと言うのですか。
 なんにしろ3月下旬にドハマりしてから一ヶ月経たないうちに、タイムラインに投げつけて来たSSは10作に到達しようとしている。毎日朝から晩まで話のネタを考えて、家に帰って家事を終えてからタブレットに向かってキーボードを叩く(驚くべきことに、「家で書く」ことが出来るようになった。コロナ騒動のこともあるかも知れないが、個人的にはビッグニュースである)時間は各段に長くなった。

 非常にニッチなジャンルのどマイナーなCP故に世間一般的な波に乗れていないのは自分でも理解ができる。でも私のTLではこれがメジャーなので。そんな言葉で自分を鼓舞して、投げたネタで誰かが「尊死」している様を想像しながら今日も私は自分が書きたいものを書いている。こんな気持ちはいつぶりだろう。

「書いて良かった」と感じるとき

 作品が誰かの心に留まって、感想を投げて貰えたとき。

 その昔、とても大好きなイラストレーターさんの作品の世界観をお借りしてSSを書いてお送りしたことがあった。未熟な作品だったにも関わらず、イラストレーターさんはそのSSの場面を描いたイラストをレスポンスしてくれた。
 自分の頭の中で描いた世界が具現化された時、モノクロから鮮やかに色付いていく感覚を得た。あの感覚は今でも忘れられないし最高のご褒美だと思っている。
 本を作った時も、自分の「イメージ」を「言葉にした」ものを、イラストレーターさんが「具現化」してくれたことに感動を覚えた。細かな要望が「絵」になって返ってくるあの時間は非常に幸福だった。

「こういう言葉で」

 絵を描くことは凄いことだと自分は思う。第一に、自分には出来ないことだから(努力したのか、というコメントは遠慮していただきたい)。そもそも小説でさえ「出来る」とは思っていないけれど。

 小説を書くとき、自分は映像でそのシーンを捉える。人物が喋っている、動いている、ドラマのように場面が転換する。それを文字に起こす。何が、どうして、どうなった。台詞、情景、心情。
 ゆえに、頭の中に切り取られた映像が一番理想に近い。それを言葉にするとなると自分の語彙力や表現力にどうしても足を引っ張られて思い通りの文章にならない。言葉で表せないものも言葉にしないといけない。
 出来上がってから「ニュアンスが違う」と毎回落ち込む。だけどそんなところに「こういうことじゃろ?」とイラスト化orマンガ化してレスポンスが返って来たとき、自分はどうなる?脳内世界が鮮明に色付いてサッと晴れ渡る。脳内の雲が消え去るんだよね。わかるかな。

 そんなこんなで最近絵描きの方とTwitterで会話したりそういうレスポンスが飛んでくることもたびたびありまして、いろんな絵描きさんのイラストを拝見する機会も増えました。TLが賑やか。
 今までは作品を見るだけで「凄いなあ」というバカでかい感情が頭を埋め尽くしているだけだったんですが、最近は「この絵描きさんのこういう表現が好き」に変わってくるようになった。そして「こういう言葉の表現が合うのかな」と、自分の作品にどう活かして行こうか考えることが増えた。これって凄い成長だと思う。ただ作品を書くだけじゃないところまで意識が向いてるのって個人的に凄いことなんですよね。転換期なんだと信じたい。

毎日、言葉を考えながら過ごしてる

 日常のいろんなところに目が向く。色もそう。音もそう。「こういう表現がしたい」と考える時間が増えた。
 今、外に出ることを自粛しろと言われて狭い思いをしているけれど、自分にとっては良い時期なんだと思うようにしてる。きっと「書くこと」と向き合う時間なんだ。
 二次創作にとどまらず、書きたいものはたくさんある。それをアウトプットして、形にして、積み重ねていこうと思ってる。本を出したことがきっと大きなきっかけになった。今を逃したら次は10年後かも知れない。いくつだよ。黙っておけ。

 書くことが楽しいと思えてる。これだよ。これ。


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