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Kern Switar 13mm f0.9 #映像試論

#映像試論
映像装置としてのレンズを、通過する光の仕草、経年劣化が生み出す色彩の偶発性、時空の歪み、生成される感覚世界と対話することを通してひとつの「多様体」として捉える思索

ここ数ヶ月はもっぱら、明るくて光の滲みを体感できるようなレンズばかりを使っている。

スイスのKern-Paillardによって1959年にリリースされたSwitar 13mm f0.9は、その圧倒的な明るさとシュッと伸びたフォルムが印象的で、中古市場でもあまり見かけず、よって公開されている作例もさほど多くない。これまでCマウントシネレンズは何本か使っていたのだけど、Dマウントレンズはこれが初めてで、当然Z用アダプタなんて国内外漁っても見つからず。結局Pentax Q-S1のボディを中古で仕入れて、シネレンズ用カメラとして酷使することになった。

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物体に当たる光の反射が柔らかく描かれる。浅い被写体深度が全体の幻想を誘う。

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周辺部は輪郭が溶け出している

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曇天の霞がかった光を受け止めるのが得意なレンズだと思う

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シネレンズにしては歪みが少ないように感じる。ただしボケには癖があって、同形のシャボン玉を複数重ねたような、やや頭痛を呼ぶ描写。

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