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<新刊出版記念>税所篤快全6作品書評・ブックガイド(ライター羽佐田瑶子さん)

新刊「未来の学校のつくりかた」の6月1日の出版を記念しまして、友人のライター羽佐田さんが今まで刊行された本6冊に書評を書いてくれました。全てKindleで読めます^^のでコロナ読書にぜひ!

第1作 「前へ!前へ!前へ!/木楽舎」(2011.4.23)

このタイトルにこめられた思いが、税所くんのすべてを物語る。『e-education』の立ち上げを語るこの本を読むたびに、エネルギーの爆発に圧倒され、ぽろっと泣いてしまう。若さは強く、時に脆い。脆さ故の苦労もエネルギーに変え、走り続けるストーリーはプロジェクト云々よりも、ただ単純にカッコいい。誰がこんな未来になると創造したのだろう。私たちは想像していない未来に出逢う可能性がある、自分の中に眠る何かを見つけたら無視しちゃダメなんだ。見つめて、そっと抱きしめたまま思いっきり走り出したら、知らない世界があるかもしれない。そこは地獄なんかじゃない、きっと死なない。そう思わされる大好きな1冊。

↓昨年英語版も出ております。英語の方がいいという方はぜひ!kindle unlimited加入の方は0円です!


第2作「最高の授業」を世界の果てまで届けよう」飛鳥新社(2013.6.15)

私たちはよく、いつの間にか言い訳を並べている。ルールや常識を都合よく利用し、考えすぎた言葉を言う。だから、「バングラデシュ以外の世界もみたかった」というあまりにもシンプルな動機でプロジェクトを5大陸に広げていく彼らの姿に、私は思わず立ち上がってしまった。どうしてやりたいのか、よりも、やるためにはどうしたらいいのか。シンプル(本心)な言葉と行動を積み続け、彼は大きく変わり強くなった。それは仲間が増えたことだ。

「人生は結局やるか、やらないか。おもしろいか、おもしろくないか。」この指針が見下され人生に悔しさがあった彼の魂に火を灯し、他の仲間たちにも火種を灯していく。面(ツラ)ではなく芯の部分でつながった仲間と“行動の先にこそ未来があること”を体現し続ける、苦しくもたくましい過程が書かれている。

第3作「ゆとり世代の愛国心」PHP新書(2014.9.1)

「ゆとり世代」という言葉が大嫌い。「打たれ弱い」「挨拶ができない」勝手にカテゴライズされて、人格が決められてしまう。違う、私は私だしあの子はあの子。むしろ性格よりも、文化は違う。本の言葉を借りれば、インターネットが発達し“世界で自由を謳歌できる世代”だ。

税所くんが世界に出ていくつもの理不尽に遭遇したことで、彼なりの視点で世界と日本を見つめ、これからの日本を語る。その中で世界からみた日本人へのリアルな想いや過去に日本が積み上げてきたポジティブな遺産を知る。同じ国に生きる者として残された遺産と共に、文化が違うゆとり世代と大人たちがどう一緒に日本を創っていくのか。無謀な若者の挑戦を応援してくれるカッコいい大人たちのように、私たちも手を差し伸べ合う時代がきているのかもしれない。

第4作「突破力と無力」日経BP社(2014.12.8)

情けないほどの暮らし、格好悪い幾度もの挫折。ソマリランドでの大学院創設話を中心に書かれた本書は他に比べて挫折も恐怖も多く、率直だ。そして怒られている。さらに税所君にアクセルを踏ませる仲間たちが彼について語る。「わかる、わかる」と頷いてしまうほど、率直な彼の本性は決して完璧ではない。しかし会うと感じるエネルギー、苦境も突破しようとするポジティブな力と無力を受け止める力、相反するものから生まれる生きたエネルギーは確かなのだと知る。世界中の壁を突破し、進み続ける彼に私も伝えたい「生還、おめでとう。」きっとまだまだ途中経過、走る背中を読み続けたい。

第5作「若者が社会を動かすために」ベスト新書(2015.10.20)

全ての本に登場し、彼が恩師と仰ぐ米倉先生と税所君の関係が好きだ。絶対的な信頼と尊敬の基に成り立っているからこそ、生まれる言葉や行動の重みが違う。まるでドラマのようだ。「お前を死なせたりしない、老兵が盾になる。」赤の他人にここまで言えるのか?この一文には泣かされてしまった。“出逢いとつながりの力”を、米倉先生をはじめ共に冒険物語を歩んできた仲間たちから学ぶ。そして同じ社会起業家目線で、同世代9名のアントレプレナーに話を聞く。「1人の力は小さくても、仲間とつながることで突破口が見えてくる」のは皆同じだ。このうちの1人に、ALSの難病と闘う武藤さんが出てくる。拙い言葉ではない。本当に伝えたい思いが熱を帯びるこの章だけでもいいから、ぜひ読んでほしい。

第6作「失敗から何度でも立ち上がる僕らの方法」中竹竜二さんとの共著PHP出版(2016.3.11)

「1mmでも成長したい」そのためには努力!根性!ではない。膝を抱えて引きこもることも、毎日落ち込むことも認めたうえで2人、ラグビー界の第一人者である中竹竜二監督と税所くんが挫折と学びについて語る。

1mmにかける思いは、重く早く明瞭。精神論ではなく、幾度もの失敗経験を丸裸にしてまで私たちに語る姿はなんだか真剣なんだ。そして私は安心して前を見た。隣の芝生は青いと何度も思っただろう。ダメな自分を受け入れることは苦しかっただろう。中竹監督が選手に「得意なことしかやるな」と言うその考え、税所君が会社に所属することを決めたその意志、深い1mmの学びと成長のために悪戦苦闘してきた彼らの熱を感じる。

以上の本へのコメントはライターの羽佐田瑶子さんでした。どうもありがとう!

羽佐田瑶子(はさだ ようこ)

1987年、神奈川出身。映画会社、訪日外国人向け媒体などを経て、現在はフリーのライター、編集。関心事はガールズカルチャー全般。女性アイドルや映画を中心に、幅広くインタビュー・コラムを執筆。

出版から10年後。30代初の書籍がこちらです。

最新作「未来の学校のつくりかた」(6月1日発刊予定)



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