『天使の翼』第6章(29)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
「第二のオプションは、油断した振りをして、公爵――かどうかは、まだ分からないけれど――、その悪の手下にわざと捕まってしまう手だ」
……なんとなく予想できたことだけれど、それだけは、絶対嫌だと叫びたい……身の毛もよだつ……
シャルルは、わたしの嫌悪感を察して――
「ごめんね、デイテ。でも、この手には、決定的に有利な点がある」
「……」
「僕たちがスカルラッティ公爵を疑っているのは、あくまで状況証拠の域を出ない。もし違っていたら、3500光年かけてアクィレイアへ行くの