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未来を見詰める

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記事一覧

《親ペン雑記#6》不老不死をめぐるディスクール

 暇を見て日経電子版の古い記事を読み返していると、面白い記事に出会うことがある。いろいろな意味で、最新の情報ばかりが必ずしも有益という訳ではない。  SF小説好きの筆者にとっては、下に挙げた2018年4月の記事【未来での蘇生を願う ロシアで冷凍保存され眠る人々】などとても興味深いものだ。記事によれば「遺体は完全に血液を抜かれ、マイナス196℃の液体窒素に逆さまに漬けられた状態で、100年先まで保存される」とあり、未来の科学の進歩に蘇生の可能性、夢を託したものだ。ちなみに、現時

《親ペン雑記#4》現代セルフレジ考

 スーパーやコンビニで自ら商品をスキャンしたり会計をしたりする姿、セルフレジもすっかり見慣れた光景になってきた。少し前の日経電子版の記事【セルフレジの利用客6割に スーパーも導入、民間調査】にもその普及拡大の様子が描かれているが、コロナ禍にあって顧客と店員の接触を減らす効果への期待などが背景にあるようだ。  しかし、このようなセルフレジの潮流は、コロナ禍で加速された側面は否めないにしても、そもそも商品を読み込んで(スキャンして)⇨会計するという時間のかかる旧態依然とした決済

《連続投稿573日目》不景気が跳躍台になる会社

 日経電子版の記事【日本電産の永守会長「不景気の後ほど最高益のチャンス」】では、日本電産の2020年4~6月期連結決算についてのウェブ説明会の骨子がリポートされています。  この記事で最も印象深いくだりは、何と言っても末尾の次の一節ではないでしょうか―― (記事より)永守会長「過去のことをどうこう言ってもしょうがない。外部環境が悪くても自分たちで風を起こし、たこを揚げる戦いができるチャンスだ。リーマン・ショックの1年後には最高益を出した。今期も、すぐに最高益をたたき出す元

《連続投稿547日目》進化するコンビニのオペレーション~未来型コンビニの4種の神器~

 日経電子版の記事【ファミマ、商品陳列用ロボ導入 人手不足緩和へ】では、ファミリーマートがロボット開発ベンチャーとのアライアンスで、VR端末を使った遠隔操作で店舗の商品を陳列できるロボットを導入する旨リポートされています。  さっそく、記事からこの驚くべきロボットの特徴を整理してみると―― ▶商品陳列ロボットの一例① 離れた場所で操作できる=一人で、移動することなく、複数店舗の陳列  ができる。 ② 店舗で必要な従業員数を減らせる=人手不足の緩和に繋がる。 ③ ロボッ

《連続投稿546日目》パリ協定達成のための3つのイノベーション

 日経電子版の記事【パリ協定達成には…大規模移動制限、10年継続が必要】には、何と言っても冒頭の次の一節でグッと引き付けられます。 (記事より)新型コロナウイルスの感染拡大で2020年の温暖化ガス排出量は前年比8%減程度と過去最大の減少幅になるとの見方が強まっている。大規模な活動制限が世界に広がったためだ。ただ国際的な気候変動対策「パリ協定」の目標を達成するには今年並みの削減を10年間続ける必要がある。パリ協定の高いハードルが改めて浮き彫りになった形だ。  コロナ危機によ

消費者の身近になり、企業にとっては外せなくなるAI

 日経電子版の記事【シャープがAI洗濯機 洗い心地評価でより賢く】では、洗濯後に⇨専用アプリで仕上がり具合を評価すると⇨AIが学習して⇨使えば使うほど利用者の好みに合った洗い上がりを実現するようになる洗濯機がリポートされています。  このごく短い記事は、AIが、いよいよ私達の生活の身近に寄り添うようになって、①簡単に評価を伝えるだけで、②複雑な操作なしに、③自動でユーザーの好みに合わせてプロダクトをカスタマイズしてくれるようになってきた事を教えてくれています。  このよう

見えてきた『未来の工場』の姿~3つのデジタル化が作るアフターコロナのニューノーマル~

 日経電子版の記事【シーメンス、「未来の工場」変幻自在 生産性が14倍に ビッグBiz解剖(上)】では、独シーメンスの戦略を通して、デジタル化による『未来の工場』の姿が描かれています。  今般のコロナ危機は、テレワークの普及・オンライン診療の導入など、様々な分野でデジタル化の潮流を加速させていますが、工場にとってはどのような意味を持っているのでしょうか―― ▶コロナ危機が生産現場に迫るもの(1)サプライチェーン上のリスクを見直し、先進国の生産回帰が起きる。 (2)その場

いかにしてスタートアップは舞い上がるか~イーロン・マスク氏のスペースXに見る~

 日経電子版の記事【火星移住へマスク氏の反骨心、スペースXが拓く宇宙開発】は、稀代のシリアルアントレプレナー(連続起業家)であるイーロン・マスク氏のスペースXが、2002年ロス郊外の倉庫でその産声を上げてから、この5月31日に「クルードラゴン」によって人を国際宇宙ステーション(ISS)に送り届けるまでの軌跡を、マスク氏の過去の発言を通して鮮やかな浮き彫りにして再現しています。  このホメロスの叙事詩オデッセイアにも比肩する雄大な物語は、一つのスタートアップの飛躍を辿るストー

身近になって見えてきたAIのポテンシャル

 日経電子版の記事【歯科医を変えるAI、詰め物設計1回 虫歯もすぐ発見】では、歯科医療の現場で導入・開発が進むAIがリポートされています。  この記事で最も印象深いくだりは、次の一節ではないでしょうか―― (記事より)「虫歯1本の治療は早ければ30分程度。1度の来院で治療が終わるのは患者にとって大きなメリットだ」  このような驚くべきUX(ユーザーエクスペリエンス)の向上を実現するAIとは一体いかなるものなのか、さっそく記事からその実例を拾ってみると―― ▶歯科医療で

ビュー数ベスト11位から20位まで

 皆様のおかげをもちまして、2020年5月19日、noteへの連続投稿が500日を達成できましたことに、改めてお礼を申し上げます。  この機会に、前回の『ビュー数ベスト10』に引き続き、全769記事(2020年5月26日14:04現在)から、『ビュー数ベスト11位から20位まで』をご紹介させていただきます。 〔凡例〕① ビュー数は、2020年5月26日14:04集計(全期間)に基づいて      います。     ② 本稿は、数値や順位に大きな変化があった時は、随時更新

スマホの次に来るのは何か?

 日経電子版の記事【アップル、仮想現実の米新興企業を買収 110億円規模】では、「iPhone」の次のイノベーション、パラダイムシフトたりうるメガネ型ウエアラブル端末を開発中と噂されている米アップルが、関連する技術リソース・人的リソースを取り込むべく、VR分野のスタートアップである米ネクストVRを買収した、とリポートされています。  確かに、今や私達の日常の生活シーンに欠くことの出来ない必須アイテムである『スマホ』、第4次産業革命のアクセラレータである『スマホ』ですが、盛者

アフターコロナでオフィスは無くなる?それとも広くなる?~問い直されるオフィスのあり方~

 日経電子版の記事【米ツイッター、在宅勤務を無期に オフィス不要論に拍車】では、「(記事より)米ツイッターは12日、世界で働く約5100人の全社員を対象に、期限を設けずに在宅勤務を認める方針を明らかにした」と報じています。オフィス不要論、そして、不要論への懐疑論と、アフターコロナへ向けてオフィスのあり方が問い直されそうです。  この記事で最も印象深いくだりは、オフィス不要論どころか、その反対に、ソーシャルディスタンスの観点から、必要なオフィスの面積はむしろ広くなる、との指摘

オンライン化の限界~小さな画面では分からない!~

 日経電子版の記事【ウェブ面接に限界 人となりは対話で深掘り】では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って進行するオンライン化、ウェブ面接やウェブ講義の限界が端的に指摘されています。  さっそく、記事などからそれら限界をピックアップしてみると―― ▶オンライン化の限界① オンライン化された小さな画面では、全身の動きや前後の行動が  分からず、人となりを理解しづらい。 ② オンライン化された小さな画面では、皆同じように見え、個性差が  つかみにくい。 ③ オンライン化され

第1次産業こそDX(デジタルトランスフォーメーション)の主戦場

 日経電子版の記事【牛も豚もデジタル化 スタートアップが畜産現場を変革】では、畜産現場をデジタル化する、第一次産業のDXがリポートされています。  さっそく、記事からそのような事例をピックアップしてみると―― ▶畜産現場をデジタル化① 牛の首輪に名刺ほどの大きさのセンサーを取り付け、行動データを毎日  24時間記録⇨一頭毎の生体データを見える化⇨AIが平常時からの変化を  検知⇨先回りして対策。 ② エサ・水やり等の現場作業をタブレットなどに記録しデータを蓄積⇨  作業