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小4の息子が『H2』を読みました

小4の息子が『H2』を、『スラムダンク』を越えた名作だと言っています。

『H2』、僕は高校生のときにBookoffで立ち読みしました。
あだち充の『タッチ』の次くらいに有名な野球漫画ですね。

間違いなく僕の中の大切な一部を形作った漫画でした。
青春の中の「かっこいい」とはどういうことか。
それを強く刻み込んだ漫画だったと思います。
だから大人になって全巻買いました。
それを息子が読んだのです。

最初に息子が『H2』を手に取ったのは、小3の時でした。
その時は、「よくわからない」と言ってすぐに放り出していました。
横目でそれを見ながら、「小学生に高校生の青春はわかるまい」と思っていました。

その息子がソフトボールを始めました。
すると急に『H2』をまた読み始めました。
何かしら自分と重なる部分があるというのは大切なんですね。

全巻を読み終えた息子は、
「泣けるよねー」
「スラムダンクを越えたわー」
「あのエピソードがいいわー」
など、感想が止まりません。
漫画の中で出てきた、ゆずの夏色を何度も聴いたりしています。

僕の中で『H2』は、セリフを最小限にして、表情も大袈裟にせず、登場人物の心情をひたすら想像させるところが好きでした。
その演出が憎いくらいにうまいのです。
このテクニックとしては、『H2』はあだち充の絶頂期だったと思います。

正直、今の息子の人生経験と読解力では、心のやりとりのすべてを理解しているとは思えません。
何度も読んで、その都度新しい何かを発見するでしょう。
その楽しみがある分、うらやましいです。

ちなみに僕は、『スラムダンク』がスポーツ漫画の傑作だと思っています。それでも、どちらかを選ぶとしたらやはり『H2』を選んでしまうと思います。
そういう意味で、息子と今のところ意見があうのは、素直に嬉しいです。

青春にひたりたい大人へのお勧め度:★★★


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