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「FUKKO DESIGN」を応援してほしい!

今、FUKKO DESIGNという団体が、READYFORでクラウドファンディングを行っている。
FUKKO DESIGNの代表理事の河瀬大作さん(NHKエンタープライズ)や、理事の木村充慶さん(博報堂)さんには個人的にお世話になっていることもあり、個人的な立場からFUKKO DESIGNのことを書きたいと思う。

新たな復興支援を目指す"FUKKO DESIGN"の始動へ

河瀬さんや木村さんと出会ったのは、数か月前、NEW STANDARD(当時はTABI LABO)のビンちゃんから「おもしろいからとりあえず来て」的なザックリ感で呼ばれた勉強会でのことだった。
そこで河瀬さんや木村さんは今のFUKKO DESIGNにつながる内容をプレゼンしていたのだけど、とてもおもしろかった。

個人的に特に印象に残っているのは、山形県沖地震で被災した酒造を支援するための「もっけだの」プロジェクトのこと。
大きな地震に見舞われた結果、多くの酒瓶が倒れて割れてしまった。
割れずに済んだ酒瓶も、ラベルを貼る前の段階で散乱して中身が分からなくなってしまって、普通に売れる状態ではなくなってしまった。
これは困ったとなるわけだけど、FUKKO DESIGNのメンバーは、「地震を乗り越えたお酒なんて縁起物じゃん!」という切り口で、中身が分からなくなったボトルをラッキーボトル「もっけだの鶴岡」としてブランディングした。そして、ポップなデザインを付けて商品化したら、多くのメディアにとりあげられて大反響を呼んだ、という話。
すごくいいアイディアだし、光の当て方がめちゃくちゃうまいなと思った。

その日、木村さんに「自分は弁護士事務所にいたが、戦略法務やルールメイキングに関心があってスタートアップに移籍した」と話したら、やたら食いついてきた。
「ルールメイキングではロジックとクリエイティブの両方が必要だよね」とか、「被災地では復旧・復興のためのルール整備をスピーディーに行う必要があるからルールメイキングがしやすいのではないか」とか、そんなことを話しているうちに意気投合した。
今後、FUKKO DESIGNを本格始動させていくために資金が必要となるということで、「READYFORとしても何かサポートできるのではないか」ということで、日を改めて話しましょうとなった。

そして、その2日後にはバーで飲みつついろいろ話した。
お酒が入っていたし、前のことなのでうろ覚えだが、「READYFORは志ある団体にしっかりとお金を届ける会社になる」と意気込んだり、READYFORが取り組んでいる緊急災害支援プログラムのことを話した気がする。
木村さんは災害が起こるとすぐに会社を休んで被災地に飛んで行ってしまうイカした人なので、社協(社会福祉協議会)のことや、緊急災害支援に取り組むNGOやNPOのこと、ボランティアのことなどをいろいろ教えてくれた。
めちゃくちゃ勉強になったし、自分自身も現場に行かなければだめだと感じた。

そういう背景もあって、実際に、木村さんとカヤックの立石さん(立石さんもFUKKO DESIGNのメンバー)と一緒に台風19号で被災した宮城県丸森町に週末ボランティアに行った。
丸森町では、台風19号で河川が氾濫して大きな被害が発生した。
ボランティアに行ったのは被災から1か月ほど経ってからであったが、復旧はまだまだ進んでいなかった。

あるご夫婦のご自宅で家財の運出しや土砂かきをしてきたが、そのご自宅は1階の天井まで浸水してしまった。
台風の日は、2階に上って不安な夜を過ごされ、夜が明けた後、ようやく屋根伝いにヘリコプターに乗って救助されたそうだ。今は避難所で生活されている。
避難所での生活についてお聞きすると、「夜になると他の人のすすり泣く声が聞こえてきて眠れない」とおっしゃっていたのが印象的だった。
長年の思い出のつまったたくさんの家財が土砂にまみれてしまい、さぞかし無念だと思う。実際、運び出す家財(被災地では「ゴミ」とはいわない)を選別するときも、とても苦しそうだった。
これからどれだけの時間とお金をかければ生活を再建できるかも見当がつかず、現在進行形で大きなご不安を感じられていると思う。

現地では、いくつかの支援団体が精力的に支援活動をされていた。緊急災害支援の経験も豊富で、キビキビと作業計画を立てる。重機を操作して復旧を推進していく。本当に頭が下がる。
だが、丸森町の蒙った甚大な被害を前に、人手は全然足りておらず、もっとボランティアが必要であるように感じた。
被災地の状況やニーズの情報発信のあり方についても考えさせられた。

丸森町への行き帰りの道中、木村さんはボランティアをもっと広げるためにはCtoCで現地のニーズとボランティアをマッチングすることが重要だと熱弁をふるい、木村さんが実際に取り組んだbosyuを使ったボランティア募集のことを教えてくれた。
被災地のニーズもさまざま、ボランティアのできる貢献もさまざまであり、両者をうまくマッチングできればとても意味があることだろう。
「それはよさそうだ」なんて話していたら、今や、災害の専門家やエンジニアたちが知見を持ち寄って、「スケット」というCtoCのボランティア募集のサービスの開発を進めていて、ローンチ間近になっている。
このスピード感は本当にすごい。

FUKKO DESIGNがすごいのは、内閣府の防災担当官房審議官をされていた佐々木さんとか、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)の明城さんとか、そういう災害のプロ中のプロみたいな人とも連携しながら、メディア関係者やプランナー、デザイナー、エンジニアが一緒になって災害という大きな課題に取り組んでいることだと思う。

想いのある人が組織を超えてつながり、自分自身や所属する組織の力を活用するスタイルだからこそ、FUKKO DESIGNには多様なバックグラウンドを持ったメンバーが集まる。
現場の課題を知っている人もいる、現場で泥をかく人もいる、デザインやブランディングの力で復旧、復興に貢献できる人もいる。
それが、FUKKO DESIGNの持つユニークさだと思っている。

災害は歴史上繰り返し起きてきたし、確実にこれからも起きる。きっと甚大の被害ももたらす。
いつ災害が起こるかはわからないし、誰しもが被災する可能性がある。
だから、みんなで知恵を出し合い災害に備えなければいけないし、ひとたび災害が起きれば、「困った時はお互い様」で助け合う必要もある。

災害が起きるたびに、人は何かをしたいと思う。
FUKKO DESIGNのメンバーが魅力的で、人を巻き込む力に優れているということはもちろんあるが、災害をテーマにしているからこそ、FUKKO DESIGNには多様なバックグラウンドを持った人が集まるのだと思う。

糸井重里さんがFUKKO DESIGNに挑戦に寄せたメッセージが本質的であるように思うので、最後に引用して終わりたい。

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なにか困っていること、
なにか手伝いたいこと、
なにかできること。
このなにかを、混ぜること。

糸井重里 「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰
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残り3日、目標金額まで、あと40万円弱。
ぜひ、FUKKO DESIGNの挑戦への応援をお願いいたします!


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