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思いをことばにして届ける大切さ-コルク佐渡島さん×GO三浦さんの講演を聞いて-


ことばを紡ぐということは、なんて繊細で素敵な行為なのだろうとつくづく思う。


それまで漠然として宙に浮いていただけのものが、その行為によって、ある意味形を持ってぼくたちのもとへおりてくる。

それによって、今まで見つけられなかった目標も、見失いがちだった目的も心に留めておくことができる。

そして何より、これをみんなで共有して、意識のすり合わせを図る際の指針にできる。

先日の8/24に行われた、佐渡島さんと三浦さんのトークショーを聞いていて、そう強く感じた。


また、コルクが掲げている、さらけ出す、やりすぎる、巻き込むの3つ、そして心に届けるというコピーが作られたことの効果は、とても大きいものだったんだなと改めて思う。


ぼくがインターンしてた2015年当初のコルクには、まだその指針は存在しなかった。

みんながみんなそれぞれ違う仕事をしていて、傍目からは何をしているかよく分からない。

佐渡島さんも、今よりもずっと、チームや会社で一緒に働いている人にあまり興味がない印象があった。

今思えば、それはよくある編集者としての働き方だった。それだからか、何か仕事でできてないことやミスが起こったとき、よく朝会で「今のコルクは編プロ並みの仕事しかしてないぞ」とメンバーに向かって言っていた。


それが、いろんなメンバーがコルクに集まるなかで徐々に変化していき、組織としての力を高めていったのだろう。社是を作ることになったのも、その証だと感じる。

社是ができてからのコルクは、もはやただの編プロ集団ではなかったと、インターンを卒業していた自分でも理解できた。

なぜなら、作られた社是がコルク自身を表し、コルクで働く人たちの理念を代弁していることが伝わってきたからだ。


この社是ができるまで、三浦さんがちょくちょくコルクに通って佐渡島さんと打ち合わせしていたのを知っている。

本人いわく、隔週で毎月来てた時期があったそうだ。

2人の長い長い対話のなかで生み出された言葉たちが重なり折り合って、削ぎ落とされて磨かれて、そして整えられて形になる。

緻密で繊細で、そして時には大胆さも必要になる行為の積み重ねが結晶となったものこそ、この社是なのだろう。行動指針も同様に、である。


この一見非効率と思えるかもしれない対話の積み重ねが、やがてみんなの共通言語になって、いまの社員も未来の社員も、同じ方向を向いて歩いて行くための道しるべになるのならば、佐渡島さんたちが言っていたように、実はとても効率が良いことなのかもしれない。

言葉で表すことの意味を改めて理解したような気がした。


また、後半のセッションでクレイジーやfreeeなどの社員とトークセッションしていた際、三浦さんが話していたことで印象的な言葉がある。

クレイジーの社員の方が作られたビジョンやミッションなどの浸透のさせ方について質問した時、三浦さんは、浸透させるまでが1つのパッケージになっていると答えた。

これを聞いていて、ぼくはなるほどと思った。まさにこれはプロモーションの考え方と同じである。商品を生み出せば勝手に消費者に届くわけではないように、企業のビジョンやミッション、バリューだって、生み出せば勝手に社員に届くわけではない。

社員が掲げられたビジョンやミッションを自分ごととして捉えるようになるためには、そこに至るまでにどんなコミュニケーションが行われて、どのような思考を経て行き着くのか、作る側として考えておかないといけないだろう。

ビジョンとミッション、バリューのトークショーは、世の中にあるものづくりにおいて大切な要素が詰まった、とても勉強になる会だった。


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