五月四日・五日@ウィーン

五月四日

昨日で十日間の隔離期間は終わったけど(検査を受けたので実際はもっと前に終わっているけど)、警察は一度も来ることはなかった。電話もメールも何もなかった。たまたまラッキーなだけかもしれないが、日本の検疫がザルならここはもう穴そのものかもしれない(しかし見つかったら罰金なのでそこは日本と違う)。

久しぶりに大家さんが別荘地から帰ってきて話す。日本でどう過ごしたのという話から恋愛の話になって、ついでに今まで友達なのかよくわからない男性の話を詳しく聞くことができた。髪の毛長いの似合ってるねと言われた。今までベリーショートか長くてもショートボブだったのでここまで長いのはもしかしたら小学生ぶりかもしらない。意外とロングの方がいいのか。

一時間だけだけど明後日の輪読会を発表することになったので、その論文を読もうとするが短いけど全然やる気になれずに読めない。来週ラボミーティングで発表するからとりあえずデータの整理をした方がいいけどそれもできない。部屋の掃除をする(うまくいかない時はいつも部屋の掃除をしてる)。

夕方はこちらで出会った日本人のお友達をお家に招いて、日本から持ってきた物を渡し、お返しのケーキなどをいただく。紅茶のケーキでとても美味しかった。音楽をやってる方なので、自分とは全然違う経験が聞けてとても面白い。

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五月五日

朝起きてヨガとかをする。こっちに帰ってきてからヨガができるようになった(なんだか日本の家は狭くて全然やる気にならない。ただの言い訳)。Joseph Brotは美味しいけれど、全然なくならないのでずっと朝ごはんはパン(五日ぐらい)。

明日発表なので流石に論文を読む。思ったより短かったが、久しぶりの発表なのでプレゼン資料作ってちゃんと原稿も書こうと思うが、資料だけ大体作って終わる。論文輪読会で一応学生は全員参加の会なのだが、コロナになってますます参加者が減ってついに誰も発表しなくなったのでボランティアとして&日本に久しくいて頭が腐ってるので手を上げる。

最近は天気もいいし日照時間が長くて(夜八時でも明るい)、私の好きな季節がやってきたのにあんまり心は冴えない。日本から帰ってきて疲れたのか(それにしたら隔離だったから十分時間はあったと思うが)、なんなのかは全くわからない(人と会ってないわけででもないし、本当に不思議)。

当たり前なんだけど調子はずっと右上がりでも左下がりでもなく、波を繰り返してるだけなんだけど、なんだかアカデミアにいる時の方がそうじゃなかった時より内省的で症状が激しいように感じる。よくよく考えると研究の方が仕事よりもより正解がない(?)ので、怒られたり他人に迷惑がかかるミスをすることは少ないのだが(注:分析とか論文とかのミスはある)、人で勝手に「しまった」と思って落ち込む。

私は明らかに堕落しまくっていると思うが、ただ私の研究を横で見てくれる人がいるわけでもないので、まだ誰にも怒られたこともないし頑張った方が良いよという指摘も受けたことはない。一人一人やってることが違うから「あの人は〜」という比較をされることもないし、今の環境はなるべく競争を排除してくれて、私みたいな精神的に弱い人間には優しいところだと思う(北米や日本のような環境だったら鬱かやめてるかもしれなかった)。うちなる自分が自分を責めないとダメになりそうだからこうなってるのか、ただ自尊心が低いのか。

研究費の申請の締め切りが金曜日なのに、重要な書類がホスト先の大学から来ない。幸いホスト先の先生と連絡が取れて、最悪一筆書いてくれるらしいので、それでうちの大学が認めてくれることを願う(一応要項には、一つでも書類が欠けてたら受け付けませんと書いてあるのが怖い)。