海外への日本円の送金やカード払いなど

先日出国した時に契約した保険の支払いに使ったカードが、すごく還元率の悪いもので、バタバタしていたとはいえ何故うっかりそのカードを使ってしまったのか後悔しているところです。そういえば留学を始めた2016年には頭に送金やカード関係の情報が入っていたのですが、今やヨーロッパ生活も四年目に入り色々忘れつつあるので、自分の日本円と現地のお金のやりとりの状況などをメモしておこうと思います。この失敗を生産的な何かに変えたい…

私の金銭状況

私が留学を始めた時は手元にあるのは日本円で、あとは昔旅行に言った時に残っていたポンド・ユーロ・フォリント(ハンガリーの通貨)などありましたが、それらはコーヒー代程度なのでないも同然のレベルでした。なので、基本的に日本円を外貨(イギリス滞在時はポンド、ハンガリーに移ってからフォリント、ユーロ)に両替する必要がありました。

修士の時は日本円から学費や生活費を支払っていたので、為替レートや送金手数料など、額が大きかったのでどこで両替するかというのは重要な問題でした(適当に日本の銀行などに頼んでいたら数十万円以上損していたでしょう)。

博士に入ってからは、基本の生活費は現地通貨のフォリントでもらっているので、日々生活する分には両替の必要はないのですが、何かの出費(引っ越しとか旅行とか)で足りない時には日本円から支払う必要がありました。

日本円のでの支払い

海外にいる間、日本円を使うことは(国によるでしょうが)ありません。観光地に行ったら主要通貨を(ドルでもユーロでも日本円でも)受け付けてくれるような人もいるかもしれませんが、基本的に日本円をそのまま使うことは不可能です。

これから海外に移住するという場合だと、おそらく手元にあるお金の大半は日本円だと思うので、日本円をどのように外貨に変えるかという問題があります。ここで書くのはクレジットカード(デビッドカード)での支払いと銀行送金です。

※私が使ってる方法を書くだけなので、カードを比較してどこの為替レートがいいとかそういう情報はありませんので悪しからず…

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1. カードでの支払い

行く国に行くと思いますが、ヨーロッパだとカード払いがかなり普及しているので、クレジットカード(デビッドカード)で支払うことができればとても便利です。もちろんネットの買い物などにも必要です。

私が持って行ったカードは四つ。

1. マネパカード
2. EPOSカード
3. 三菱東京UFJデビッドカード
4. JP BANK VISAカード ALente

マネパカード

FXのシステムを利用して、自分で外貨を両替して補充できるプリペイドカードです。為替レート、手数料共に少なめ(ということを売りにしている)と思います。プリペイドカードのため、自分の好きな時に両替しておけるので、為替レートの良い時にたくさん両替しておいて、補充しておくことが可能です(クレジットカードだと、強制的に買い物時のレートで換算されるので、この補充ができるのが一番の利点かも)。

クレジットカードではないので審査がめちゃくちゃゆるいのも、出国前の時間がない時には便利です(とはいえ色々書類を提出しないといけないのでカードが手元に届くまで数週間はかかった気がしますが)。15歳以上だったら誰でも申し込みできます。あとは上限額がものすごく高く設定できるのも、高額支払いの時に便利です(一ヶ月200万円程度まで)。

ちなみに外貨だけではなくて日本円も補充できるので、日本円の買い物にも使えます。キャッシュバックの還元率は1%(2019年10月現在)。

不便な点は、プリペイドカードなのであらかじめ両替・補充しておかないと(つまり残高がないと)使えません。残高からすぐに引き落としされるので、クレジットカードのようにその瞬間に銀行残高がなくてもとりあえず支払いができるということはありません。あと、主要な通貨しか対応していないので、例えばハンガリーのフォリントみたいなマイナー通貨の補充はできません。確かアメリカドルを補充しておけばマイナー通貨での支払いもできるらしいですが、さらに手数料が取られるらしいのでお勧めではないです。他にもアプリがあまり発達していないので、カードの使用状況の管理や両替のプロセスが面倒という面もあります。

とはいえ、今までかなりお世話になりました。特にイギリス滞在時は学費の支払いがカード払い可能だったのもあって、ここでほとんどのお金を両替していました。

銀行口座ではないので、銀行への送金はできないのですが、海外に移住したてでまだ銀行口座などがない場合にも、両替して外貨を補充しておけるのは便利なサービスでした。

EPOSカード

マルイのカードです。住んでいた地域(関西)にそれなりにあり、買い物することも多かった&即日発行してくれたので作りました。ポイント還元率が高いと思います。マルイで買い物をするのであれば、お得なカードなのかなと思いました。年会費無料。

三菱東京UFJデビットカード

これは後述するTransferWiseという外貨送金サービスを使う際に、振込指定先の銀行が三菱東京UFJだったので口座を作ったついでに作りました。個人的にはクレジットカードが嫌いで(数ヶ月後の忘れた頃に請求が来るのが怖い)、なるべくデビットカードを使いたいので一枚持っていても悪くないかなと思った次第です。

年間で十万円以上お買い物をすると年会費が無料になります。還元率も為替レートも特によくないと思いますが、その場で引き落としてくれるだけで個人的にはありがたいので、旅行の時現地通貨を持っていなくて細々した支払いの時はこのカードを使ってます。最近だとボスニア(兌換マルク)、ドバイ(ディルハム)で使いました。

JP BANK VISAカード ALente

海外に行く時はなるべくたくさんクレジットカードを持っていた方がいいと聞いていたのでこれも作って行ったのですが、これは全く使っていないです。そしてこのカードが間違って保険の支払いに使ってしまったやつです。

満29歳までにカードを作れば、年に最低一回このカードで買い物をすれば年会費無料なので、持ってるだけで損をすることはないのですが、カードの還元率が悪すぎるのと溜まったポイントの使いどころがないのが問題です。ポイントも貯まれば商品券などに変えれますが、なんせ還元率が悪いので貯まるところまでわざわざ使おうという気になれないです。次日本に帰った時にはもう解約しようかなと思っています(もう30歳になったので、次のカード更新が来たら年会費が無料じゃなくなるし…)。

+ カードはたくさんある方が絶対にいい

色々紹介しましたが、一つ言えるのはどんな種類であれカードはたくさんある方が絶対に良いです(※維持の負担が高くないものであれば)。クレジットカードの種類もビザ、マスターカードなど複数種類あるのがいいと思います。店によっては何故か普段使っているカードが使えなかったり、支払いが重なって一枚のカードでは限度額が足りなくなったりなど、とにかく何が起こるかわからない上、海外に滞在していると日本のカード会社との連絡が大変なので、できるだけ選択肢を確保しておいて、慣れてきたら削るのが個人的には良い方法なのかなと思います。

ここで紹介したカード自体はマネパカードを除いては特にこだわって作ったカードではないので、多分もっといいサービスがいっぱいあると思うんですよね。ということで、そこらへんはまた時間がある時に調べて日本に帰って申請できたらいいなと思います。ただ海外に移ってから(つまりに日本に住民票も職もない状態で)日本で簡単にクレジットカードが作れるかどうかはまだ試していないのでわかりません。

2. 銀行送金

カード払い以外だと、大家さんへの家賃の支払いなど銀行送金しか受け付けないという場合もあると思います。また現地で銀行口座を作って、そこに日本円から外貨に両替して補充したいということもあります。その場合は銀行送金を使います。

私が今主に使っているのはTransferWiseというサービスです。普通の銀行の外貨送金と比べて格安の為替レート・両替手数料で送金してくれます。しかも手続きがめちゃくちゃ早い(時差を考えて日本とヨーロッパの銀行の営業時間内に支払いを済ませれば、即日外貨に両替されて振り込んでくれます)。

イギリスに移ってからはポンドを取り扱う銀行口座、ハンガリーに移ってからはフォリントを取り扱う銀行口座を作っているので、そこに日本円から現地通貨に両替して送金したい場合に使用します。

今まで使った例としては、自分の現地口座に外貨を送金する他、大家さんにTransferWise経由で直接家賃を支払ったりなど、とにかく日本の銀行口座と海外の銀行口座とのやり取りをする時にはもっぱらこれです。

TransferWiseにはボーダーレス口座というのがあって、世界中の40以上の通貨を管理できるサービスもあるのですが、残念ながら日本は利用対象外なので使えません。

ボーダーレス口座は様々な外貨(私の場合だと、ポンド、ユーロ、フォリント)を一律に管理するのにとても便利なのでものすごく使いたいのですが、使うためにはTransferWiseの日本アカウントをハンガリーアカウントに変えなければなりません。具体的には住所を変えるということです。

住所を変えること自体はTransferWiseに連絡すればすぐできるのですが、問題は日本の法律上、日本アカウントでないと日本円の送金ができないらしく、ハンガリーに住所を変えた途端日本円のやり取りはできなくなるということです(ユーロからフォリントやフォリントからポンドなどのやり取りは可能)。

日本円をやり取りするためにこのサービスを使ってるので、それはできない…ということでそのボーダーレス口座を提供してるRevolutと合わせて使っています。

Revolut

先ほど述べたTransferWiseのボーダーレス口座と同じようなもので、外貨を複数管理できる銀行口座&デビッドカードのサービスです。残念ながらまだ日本では開設できないようです。

私の状況だと、ポンドとフォリントの銀行口座は持っているのですが、ユーロの銀行口座がありません。一応ハンガリーもEU圏内なのでそれぞれの銀行でユーロを管理する口座も提供されているのですが、別途手数料がかかったりします。不可能ではないのですが、私はハンガリーに長く住むわけではないので、わざわざハンガリーでユーロの口座を作るには至りませんでした。

Revolutは銀行口座と同じようなものなので、外貨の送金・受け取り共に可能です。私はここでアメリカドル・ポンド・ユーロの管理をしています。また口座開設と共に送られてくるデビッドカードが口座と直結しているので、カードでの支払いも可能です。

アプリが発達しているので、自分の使用履歴はもちろん支出状況のグラフなどがわかりやすく表示されていて使い勝手が良いです。あとデビッドカードがコンタクトレス(ヨーロッパでは一般的なかざすだけで支払いが完了するシステム)で、マネパカードを使わなくなってきたのも、この要因が大きいと思います。Revolutカードは使っても何も還元されないので、まだマネパを使う方が得といえば得なのですが…(なんかカードを刺してPINコードを入れること自体がものすごく時代遅れなカードを使ってる感じがする&時間がかかるので躊躇)。

大事なこと:TransferWise、日本円をやり取りしたい場合は日本にいる間に開設してから渡航しましょう。

3. 日本円を現金で持って行って現地で両替

信頼できるものはいつでも現金…ということで、ネットを使わずに両替するとなれば、日本円を現金で持ち運び、現地の両替所で現地通貨に変えるということですが、私は個人的にはお勧めでないしもう長らくやってないので、どういう状況かわかりません。

もちろん最初の数日分の生活のために両替するのであればいいのかなと思うのですが、大金を持っていくのはとても危険です。どれだけ気をつけていても何が起こるかわからないので、盗まれても最小限に被害が留められるようにしておくことは大切だと思います。現金だと盗まれたらもうそれで終わりということが多いと思います。

両替所のレートを見てる限り、先ほど見たマネパやTransferWiseより高いところが多い印象です(※国や両替所による)。長期的な方法としては使えないですね。

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ということで一応今まで私が使ってきた外貨への両替方法を変えてみました。書き出してみて、マネパカードにはものすごくお世話になったけど最近はあまり使ってないこと、そしてTransferWise(とRevolut)は改めてすごいこと、日本のカード関係に関してはまだまだ改善の余地があるなと思いました。が、調べるのもなかなか骨が折れるので、とりあえずはこのまま行こうかと思います(海外にいる状態で日本のカードの契約も難しいので)。

海外移住だとマストのお金の問題何ですが、一人一人状況が違うので一概にベストと言える状態がないのが難点です。結局人生自分で自分のベストを決めて(選んで)いくしかないのですね。私が昔色んな人のブログを読んで参考にしたように、この記事がちょっとでも誰かの参考になれば幸いです。