八月九日@ブダペスト

朝起きて走ろうと思ったけど、面倒臭くなってやめる。今日は少し豪華にパンとスクランブルエッグとケフィアの朝ごはん。IHで綺麗にオムレツができず、スクランブルエッグになるという悩みをマストドンにトゥートしたら、色んな知見が集まってきた。嬉しい。

学校に行って、論文を読みながらスライドを作る。論文を読むが何を思いつくわけでもなく、これと言って進捗がないまま終える。論文を読むのも遅い。

ピアノの練習は久しぶりに二時間する。ピアノの練習もしたくないが、まだやるエクササイズが決まっているだけ、心を無にしてできるのでマシである。久しぶりに演奏を録音して聞いてみたが、表現部分がうまく音楽として聞いていて面白くない。表現面は心を無にしてできる部分じゃないのでどうしようかと悩む。研究も音楽も、クリエイティブなところは何でも一緒だなと改めて思う。

夜暑すぎて夕食を作る気になれず、残り物のフムスときゅうり、モッツァレラチーズを切って食べる。ズボラ飯である。食べながらマストドンをする。最近は何だか家族と会話しているかのように、マストドンを開きっぱなしにしている。マストドンのタイムラインを追いながら、丁寧に爪をセラム、ベースコート、ポリッシュ、ラメ、トップコートの順番に時間をかけて塗り始める。

こちらの夜は日本の深夜(早朝)であり、何だかみんなすごく落ち込んだトゥートをしていて、私も影響されてすごく暗い気分になる。いつも思っているが、改めてネガティブな気持ちで、異国で博士をとってどうするんだろうとぼんやり思う。ここにいる自分が不思議だし、資格もない気がする。

修士の時は親と知り合いの方が協力してくれたから、修士の出願(そして合格)も問題なく、イギリス滞在中の暮らしも困ることなく送ることができたのだが、その時はとにかく自分は運がよく、自分の力ではないなぁという劣等感が強かった。なので博士に行くならば、私に投資してくれる大学を自分で勝ち取って、私の生活の全て(生活費・学費・研究費)をサポートしてくれるところに行こうと決めて出願したのだった。

いざ、奨学金を勝ち取り、ハンガリーという一番好きな国(今のところ日本以外で)にいながらアメリカの大学に行き(つまり英語で研究できる)、ある程度(※)は自立した生活を送ってるのにも関わらず、相変わらずここにいて申し訳ないという気持ち。

※ある程度自立とあるが、もちろん他人に頼れるところは頼っているのは言うまでもない。

修士の時は、お金をもらえて博士に行ける人は一応そう言う資格があると見なされている、と考えても良いだろうと思っていたが、いざそうなってみると、私なんかにお金を払ってもらっていて申し訳ないなと言う気持ちになる。人間立場が変わると論理も変わる。不思議である。

などとちょっと暗い内容をトゥートしていると、慰めのリプライやダイレクトメッセージなどが飛んで来て、あぁそうじゃないんだけどまたやってしまったな、と思う。

マストドンでの私を知っている人がこのノートを読んでいるとは思えないが、たまにいるちょっと私のことを気に入っている方は読まれてたりする可能性があるので一応書いておくが、これから書くことは別にマストドンの特定個人を指した話ではないし、つまりあなたの話ではないということだけ心に留めてもらいたい。

マストドンは本当に不思議な空間で、それはよく昔のチャットや初期のツイッターのようだとも言われるが、とにかく世界が混沌としていて、それが私の好きなところだ。混沌具合は、もちろんインスタンスによる。

95%ぐらいはどうでもいい日常、下ネタ、学歴、鬱などの時に人間の闇の部分を表したトゥートだったりするのだが、やっぱりどんどん流れていくタイムラインの中で刹那的に誰かとやり取りをして、クリエイティブな表現を見つけたり、あるいは自分がクリエイティブな感覚になったりすることが、ごく稀にあるので、その稀の5%ほどを求めて何かと暇があればサイトを開いてしまう。

私は最初はあんまり下ネタも書きたくないし、学歴はそもそもわかってもらえないだろうし、鬱っぽいことも書きたくないなって思っていたけど、そのコミュニティにいると、たまにはそんな話をしたりすることもあって、今日の夜は自分の落ち込んでいる部分が出てしまったような感覚があった。

誰かに慰めて欲しいわけじゃないんだけど、誰かに聞いてもらいたいような、そんな場所としてマストドンを使っていて、そこに返信がくると何だかさらに申し訳なくなり、ますます書きづらくなる。これは本当に我儘な真理だなと思う。ややこしいのが、誰からも反応されたくないというのとは違うである。

何と言うか、最近は自分のネガティブを何とかポジティブに昇華しようと何とか模索しているのかなぁという気がしてくる。それをマストドンで試している感じ。それがうまくいっていないから、普通に慰められたり励まされたりして落ち込むのか、あるいは私に会ったこともない人たちが時間を割いて慰めの言葉を書いてくれているかと思うと罪悪感から落ち込むのか。

そんな中で、このTEDトークを教えてくださった方がいた。

記憶がすごく薄いのだが、このトーク、おそらくイギリスに行く前に大学の先輩と英語の練習(TEDトークを聞いて英語で議論)をしていた時に見たものじゃないかと思う。というか少なくとも私は見たので、相手の方が見ていなかったら、自分のトーク提案回のとき候補として見ただけかもしれないが。

内容も二年ぶりに聞いてみて、あの頃は字幕つけて聞いてたような気がするけど、今は字幕がなくてもある程度わかるようになったし、着実に私は何か変わっているのかなぁと改めて感じた。初心に返る、というかそういや自分の至らないところばっかり見て、あんまり成長を認識してこなかったなと思う。

と、話が逸れたが、にしてもマストドンは久しぶりに楽しいSNSだなと思う。FacebookやLINEは連絡手段として機能しているので、正直やりたくもないがやっている感覚であるが、マストドンは全くやる必要もないがやっている。でもそういうものに可能性を感じる。何の可能性かはわからない。

この夏に帰って色んなマストドンの人々に会うことができそうだ。昔もオフ会とかしてたことあるけど、個人的にはネットからリアルの出会いはまたリアルだけでの出会いと違って、すごく面白いので好きだ。早く日本に帰りたい。