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川上未映子「乳と卵」を読んで

おはようございます。大村温子です。 
 

今日のテーマは
第138回芥川賞受賞作
川上未映子さんの「乳と卵」について。
 
 
 
ことの起こりは
お友達である渡邊美帆子さんのブログで

川上未映子さんの
「乳と卵」について書かれていたこと。

読むこと、書くことで関わって頂いている
美帆子さんが
紹介しているこの作品。
 
なんだか素通りできなくて
 
Facebookでのこんなやりとり…

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こんなやりとり…。
 
 
気になる。気になり過ぎる。
 
「わたしを思い出す」
 
何がだろう…どこでだろう。
 
読むしかない。

で、読書家の我が家の旦那さんに
「川上未映子さん、知ってる?」って
聞いたところ、

「あるよ、面白かった」
「家にあるんじゃないかな」って。
 
 
なんかもう

読む前から
ざわざわして興奮して

何?何が書いてあるの?って。
 
 
本棚の中に
書店でかけてもらった
紙のカバーのまま

静かに取り出されるのを
待ってくれているようにも
思った。
 
 
 
ひと息に読んだ。
 
3人女性が出てくるけど
 
「これはもうわたしの話だ」と思った。
 
誰かがじゃなくて
それぞれがわたしの中にいて、
めちゃくちゃわかり過ぎる。
 
読みながら
脳内で勝手に
人物が生きて動いてるのを見る
 
そんな感覚になった。
 
わたしを書かれてるみたいで
気持ち悪いけど…気持ちよくなる。
 
そんな感じ。
 
クライマックスで
 
感情が爆発する箇所があるんだけど
 
本当にわかり過ぎて泣けた。
なんで知ってる?ってくらい。
 
泣きながら
 
頭の中が
ぐっしゃぐしゃになりながら

読めた。
読んだら
ものすごくすっきりした。
 
溜まったもの
溜まった血要らない血
溜まった涙要らない涙が
どばーっと出た感じ。
 
 
 
わたしはね…

2016年に子宮を摘出していて
生理が無いんです。
 
だからね…なんか
女として終わっちゃった、かなって
思う部分があって
 
無いものを
無い無いって嘆いても仕方ないし
ちょっと諦めモードの自分もいて

どう折り合いをつけて生きていこうって
 
毎日
ちっちゃく気にして生きている。

 
 
だからわたしの中に
生理で吐き出すことのない何かが
あー…あるんだなぁ…って。
 
 
 
それが出た感じが、嬉しかった。

着飾るとか
そういう外側のことでなくて
わたしは女でありたいんだって。
そうなんだなって。
 
 
 
旦那さんには
「友達がわたしを思い出したって
 勧めてくれたんだ」と話したら

「俺もそう思う」
「確か俺が読んだ時にそう伝えてる」って。
 
あ、そうだったっけ…って拍子抜けしたけど
 
身近なところにいる人が2人も
わたしをわかってくれてるって
実感できたのも…なんだか
 
裸を見られるような…でも
 
素を見てくれてるんだって
 
多幸感に包まれていた。
 
 
大村温子ってどんな人って説明する時、
自己紹介がわりに
相手にこの本を渡したいくらい
よかった。

またこんな本に出逢えたらいいな。

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