たい平落語・チェンソーマン11話

落語ってのは劇場で聴くよりも家でイヤホンで聴く方がいいかもしれない。ちょっとした息継ぎの音や、人物が入れ替わる時のすっと空気が変わる感じ、嗚咽の音までくまなく聴こえて、すごい体験だった。特に最後の「お父さんテーラーじゃない、俺ストーリテーラーだもん」の締めのセリフには泣いてしまった。ここだけ書き起こすと訳わからないけど。笑えるけど泣けるやつに年々弱くなってきている。今まであまり触れてきたことがなかったけれど、これから色々聴きたい。

チェンソーマン11話、中盤くらいの京都のデビルハンターとアキの別れのシーンが良かった。
真っ直ぐすぎて、瞳ににごりがなさすぎて、そこそこやってる自分が後ろめたい通り越してうざくなってくる感じもわかる。ちょっといじめてみるけどそいつの眼中に自分はなくて、張り合える相手じゃないなって諦めたら素直に賞賛できる感じ。その感情の流れの描き方がスマートでかっこよかった。
素直に応援してるって言えないから、別れた後に去っていく背中を呼び止めて飲み物を投げて渡すのも、私でも絶対そうすると思うくらいにリアルだった。チェンソーマンの登場人物で感情移入できる奴ってほぼいないけど、こういうちょっとしたシーンの誰かの感情の断片に共感できたり、リアルな振る舞いがあるからついつい引き込まれてしまう。

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