フリーキャッシュフロー(FCF)について
今回も引き続き、会計やファイナンス絡みで、フリーキャッシュフロー(FCF)について。事業会社では利益概念が先行したり議論になることが多いが、実際は企業経営や投資判断においては「キャッシュフロー」が最も重要な指標であるといっても過言ではないくらいである。
しかしながら、日本語のサイトや書籍を見ていると、やたらアンレバードフリーキャッシュフローを単にフリーキャッシュフローとして説明している場合が多く、キャッシュフローがそもそも株主に帰属しているのか、それとも債権者と株主の双方に帰属しているのか、記載があいまいなことも多い。
ここでは、一般的に用いられるアンレバードフリーキャッシュフロー(UFCF)についての説明、およびレバードフリーキャッシュフロー(LFCF)について書いていく。
アンレバードフリーキャッシュフロー(UFCF)
アンレバードフリーキャッシュフロー(Unlevered Free Cash Flow)とは、Unleveredという名前が示している通り、資本構成を反映していないキャッシュフローである。これは別名FCFF(Free Cash Flow to Firm)とも呼ばれ、コーポレートファイナンスでは重要な概念である