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ネット小説の変遷と、これから心穏やかにネット小説を読むということ

「小説家になろう」サイトの読者歴約10年の花鶏です。

これまで毎日のようにネット小説を読み漁ってきましたが
ネット小説の形式もだいぶ変遷を得ています。

個人HP時代

私がまだネット小説の存在を知ったころは、作者の方々がそれぞれ自分の作品を置いた個人HPをサーチサイトに登録し、その情報を私たち読者が厳選し、気になる作品を読みに行く形式でした。

次いでいわゆるケータイ小説と呼ばれた総合サイトに作者が作品を投稿する形式で生まれた作品が出てきました。この頃はまだガラケーでも読みやすいような短めの文章で書かれた作品で、特に恋愛小説が多く見られました。

小説家になろうの登場

そして爆発的に成長していったのが「小説家になろう」。
この総合サイトの登場により
ケータイ小説よりは比較的長めでジャンルはバラバラの作品が増えました。
個人HPを作るまで至らない人でも簡単に作品が作れ
ランキングに載ると一気に読者が得られ、感想がもらえる。

「小説家になろう」でも歴史があり、
初期はランキング欄もバラバラの内容作品が並び
個人サイトから引っ越ししてきた作品もちらほら、という形でした。

異世界作品の増加

そして現在でも人気を誇る「異世界」作品。これは個人HPサイト時代からもちらほら見られており、昔も今も皆好きなものは変わらないことがよく分かります。初期は「異世界に迷い込む」という形が多く、主人公も迷い込んだ現状を理解できてないところから話が始まるものがほとんどでした。そこから聖女や勇者として「異世界に召喚される」形が増えてきて、さらには「異世界に転生する」形も増えてきました。

しばらくするとランキングは「異世界関連作品」であふれるようになり気が付けば「異世界に転生・召喚・迷い込む」というのは一般常識化され、主人公たちは「ああよく物語で見るやつね」と大して困惑しなくなります。初期はどちらかというと「最後には元の世界に帰る」という図式が多かったのですが、途中から「主人公は元の世界で死に、その後異世界に転生する」図式のほうが増えてきます。そうなると元の世界に未練なく異世界で過ごせますよね。

VRゲーム作品

異世界作品が増えるにつれて、同時に増えてきたのがVRゲーム作品。
現代ではまだ見られない技術をもってコントローラは自分の脳としてゲームの世界に入り込んで遊ぶというお話です。謎のチートプレイができるようになってしまった主人公、極端なプレイを楽しむ主人公、ほのぼのと生産を楽しむ主人公など形式は他種多様。現在でも絶大なる人気を集めています。

乙女ゲームの作品に入り込んでしまった系小説

ファンタジーで異世界モノが流行する中、恋愛小説ではいわゆる乙女ゲームモノが一気に増加しました。自分がプレイしたことのあるゲームや読んだことのある漫画や小説の悪役・あるいは脇役になってしまうというお話です。

よくあるのは悪役令嬢転生・断罪モノで元ネタはよくわからないのですが
物語の悪役令嬢に成り代わってしまい、何らかの形で物語主人公を虐めぬいた結果、最終的に婚約者に婚約破棄されてよくて修道院送り、最悪死刑などの破滅を迎える運命が確定していることに恐れおののいて破滅回避のために奮闘する、というストーリーが大半です。

最近は悪役令嬢はある一種のジャンルになっており、婚約破棄シーンから始まり、その後何らかの形で意趣返しを行い「ざまぁ」するという展開がここ数年、ランキングに毎日数作品必ず載っています。展開は同じでもどのように「ざまぁ」するかというのが読者にとって気になるのでしょうね。

下剋上モノ作品

悪役令嬢モノの「ざまぁ」展開小説に関連して、
最近はファンタジーなどでも役立たずで馬鹿にされていた主人公がある一種無二の力を手に入れて馬鹿にしていた人たちが「やっぱり戻ってきて!」といっても「お前らなんてもう目じゃないんだぜ」と言わんばかりに「ざまぁ」するというお話が流行っています。タイトルだと「~でももう遅い!」というやつですね。とても分かりやすいです。こちらも毎日ランキングに数作品は必ず並んでいます。

こういった作品が流行るということは今の自分の環境に満足できず鬱屈しており、自分は本当はもっとすごい人間なんだ・・・!と、夢を見ている方が多いのかなと思いました。

下剋上でまとめましたが、下剋上小説にはほかにも地道に努力を重ねていく系小説など色々とあります。

ラノベ系作品

最近は現代恋愛小説ジャンルでおそらく男性作家の方が書いているんだろうなと思われる「なぜか美少女が平凡な俺に・・・」系小説が増えました。平凡でもモテたい方がきっと多いんですね。分かります。平凡女性が主人公でもなぜかイケメンに囲まれる小説はあふれています。

これから心穏やかに読んでいくには

流行と変遷を繰り返し、当たり前のことですがそのときに流行によっては
自分には合わない、いわゆる地雷作品がランキングに並ぶことも増えてきました。地雷は踏む前にスルーを信条にしていますので、何度か「小説家になろう」をもう離れようかと考えることも最近はありましたが、いまだに実行できていません。たまにお宝が見つかるからです。

私のように、地雷の並ぶランキング欄に辟易としている方にお勧めの方法をメモしておきます。

➀小説探しはランキングで行わず、検索欄で除外ワードを設定→人気順に並べることで行う

②気に入った作品を書いている作者様をお気に入りユーザに登録する

③お気に入りの作品ページからおすすめされた作品に飛ぶ

④自分とまったく合わない作品を書かれる作者様をミュート設定する

⑤小説サイトを変える。

②がとてもおすすめです。お気に入りユーザに追加すると作者様の作品の更新すべてがユーザページで見れます。気に入った作品を書いた作者様の他の作品は概して気に入るものです。

④は極論になりますが、別に誰にも迷惑かけるわけでもないので
私はたまに行っています。地雷を見かけないことが心の安寧につながるのです。⑤は最終手段ですね。でも今は他にも小説サイトが充実しているので出張するのは簡単です。ネット小説にこだわる必要もないので本屋に行くのもありだと思います。

ちょっとした工夫で楽しいネット小説ライフを。
私は今、猛烈に「女主人公が逆境に立ち向かって血反吐を吐きながら歩いていく」ようなお話を求めています。人の趣味はそれぞれ。

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