【小牧幸助文学賞】『20文字小説×21』
有り余る愛の余りしか見えてなかったんだ。
意地悪だね。そう言って意地悪に微笑んだ。
義理チョコだよと渡す中に隠したのは本命。
なぞった背中の小ささに時の流れを感じた。
1位を奪還したのに君の心は奪えなかった。
かさぶたの数は泣いた数。立ち上がった数。
月と太陽が喧嘩した。朝と夜とが生まれた。
間引きが始まった。人間は増えすぎたのだ。
あだ名から呼び捨てに変わり、想いを知る。
りんご飴の飴の中に地球が捕らわれていた。
がんばってね。私の一番嫌いな言葉だった。
とんぼを追ったあの夏はもう帰ってこない。
うっすら透けて見える君の心がNOと言う。
ご愁傷様です。が最期に聞いた言葉だった。
ざあざあ雨が止み、あざあざの虹がかかる。
いずれ恋に落ちると最初から気づいていた。
まっ赤に染まった手は夕日なのか血なのか。
しわを伸ばすとアイロンを頬にかける老婆。
ため息をつき、わざと幸せを逃がしたんだ。
。で終わる20字の物語。縦読みもどうぞ。
#小牧幸助文学賞に参加させていただきました。
ついに最終日。
最初に掲げた目標の毎日投稿をなんとか終えることができました。
楽しくも、なにかに追われるような感覚もありましたね(笑
最後の最後はまとめて20個を。
20個の20字の物語で、21作を作っています。
(ま、縦読みは小説ではないですが……)
楽しい企画をありがとうございました。
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