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幼少期になにを浴びたか?英才教育について考えた。

幼少期になにを浴びたか?英才教育について考えた。

先月、柳本浩市さんの展示を観に行ったとき、展示されていた彼の年表をみて驚いた。

柳本さんは、超人的なコレクターとして活動し、そのモノや情報から考察し、文脈を作り、未来へ社会へ再定義してひろげていく編集者として活躍していた。

年表によると、彼は4歳で神保町の古本屋巡りをし、6歳でアメリカから通信販売で洋服屋雑貨の買い付けをはじめ、ファイヤーキングの食器を集めはじめる。7歳の夏休みの自由研究ではビ

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「卒母」するために必要なことを考えた。

「卒母」するために必要なことを考えた。

先日、毎日新聞の朝刊で連載されていた西原理恵子さんの漫画「毎日かあさん」が終了した。その理由は「お母さんが終わったから」だ。娘さんが16歳になったタイミングで「卒母」宣言をしたという。

この先、私は学校に行かせたりするなど経済的な支援は必要でしょうが、それ以外はもう要らないなって。この子たちはもう絶対に大丈夫だと思っている。「後は君たち好きにしなさい。私も好きにさせてもらうので」って。(

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星野源『Family Song』と家族の話

星野源『Family Song』と家族の話

星野源『Family Song』が発売になった。

発売前のMVをふと観てなにげなく聴いたとき、ふわー!と、何とも言えぬ多幸感に包まれて自分でもおどろいた。

ちょうどお盆だった。
毎年、お盆と年末年始はなんとなく家族について考える時期だ。

我が家では、物心ついたときから父も母も親戚とは縁がなかったので、わたしには会える親戚がいない。子供の頃から自宅は賃貸で、現在はわたしの借りている部屋に母も一

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夢はなくとも、地図を描く。

夢はなくとも、地図を描く。

「夢」をもてないことは欠損だと思っていた。

「おとなになったら何になりたい?」「やりたいことはなんですか?」という質問に、いつもどれだけ考えても「ないんです」としか言えない。あるべきものがないのか、あるけど見えていないのか、わからないけどとにかく自分の中に見つけることはできなかった。足りないのは計画性か、それとも想像力かと悩んだりもした。

さっき、ほぼ日の糸井重里さんの文章を読んで、深く頷いた

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世界は「夢組」と「叶え組」でできている

世界は「夢組」と「叶え組」でできている

ここのところ、脳内プチテーマとして「やりたいことがある人」と「やりたいことがない人」について考えていた。

ちなみにわたし自身は「やりたいことがない人」で、今のメイン仕事のクッキー屋さんも、決して「やりたかったこと」や「夢」ではない。シングルマザーが子供と生活するのに「お金と時間がない」というのがイヤで、「ひとの半分の時間でひとの2倍稼ぐ」という目的のために、自分のできることから消去法で削り出した

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やりたいことがない「叶え組」にしかできないこと

やりたいことがない「叶え組」にしかできないこと

昨日書いた note『世界は「夢組」と「叶え組」でできている』を読んだ友人から、「わたしは夢組かな?叶え組かな?」という質問や報告がたくさんあった。読んで考えたことを共有してくれてとてもうれしい。そうしてやりとりをしている中で出てきたことを、ちょっと補足で書いておこうと思う。

昨日も書いたように、わたしは「やりたいことがない人」つまり「叶え組」で、湧き出る「やりたいこと」は若い頃からずっとなかっ

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あの日の自分に仇討ちを。

あの日の自分に仇討ちを。

先日、NHK『SONGS』で小沢健二氏がしていた話がとてもすきだった。

婚活サイトにあがる、斜め上から撮った3割増しの自撮りはその人のつくった神話で、現実の本人を見たらすぐに神話は崩れてしまう。「現在」には一瞬で過去のすべてをみせる力がある。という内容だった。

そして彼はその話をこう締めくくった。

切々と過去を語ったら、僕も婚活サイトの写真のように自分をよく見せてしまうかもしれない。自分

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『セブンルール』出演と、もらった花束のこと。

『セブンルール』出演と、もらった花束のこと。

先日、『セブンルール』という番組に出演させていただいた。

おかげさまで、たくさんのクッキーの注文をいただいたり(現在オンラインショップを一時休止しています。ごめんなさい)、あたたかい感想をいただいたり、久しぶりの友人から連絡をもらったりして、とてもうれしい経験になった。

そんな中、クッキー屋をはじめる前に働いていた会社の社長からLINEが届いた。

その会社では、21歳から出産の時期をのぞいた

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どこまでを「自分」とするか、考える。

どこまでを「自分」とするか、考える。

クリスマスが過ぎて急に年末モードになり、ぼんやりと2017年がどんな1年だったかなーと思い返してみた。

今年は、年始から半年間「コルクラボ」に参加して、コミュニティについて勉強をした。

それまでは持っていなかった視野でいろんなものを見て、普段は読まない分野の本を読んで、分析したり議論したり考察したりした。そこに行かないと会えなかったであろうたくさんの人たちと出会うこともできたし、なにより仕事で

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習慣は味方、思いこみは敵

習慣は味方、思いこみは敵

SNSに並ぶ「今年の目標」を見て思ったこと。

わたしは日付で区切るのが苦手なので、新年に抱負や目標をたてることはなかったのだけど、ここ数年はあえて「なにをするか」を決めて1年間行動していた。

行き先の設定としての「目標」をたてることが昔からできないので、「習慣づける行動を決める」というやり方をしている。たとえば「3kg痩せる」ではなく「通勤時に2駅歩く」というように、動機が「痩せたい」だとした

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自分の居場所のつくりかた

自分の居場所のつくりかた

自分に足りないものは何なのか?

それについてはずいぶん長いこと考えてきた。「才能が足りない」など、ないものを数えるだけで一生が終わってしまうようなものではなく、「本当はすごくほしいけれど、もっていないもの」を考えると、いつも同じものに行き当たった。わたしにとって、いつも足りないものは「お金と仲間」だった。まあけっこう致命的。

これは、自虐で言っているのではなくて、お金でいうと、18歳のときに父

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かわいい子には旅をさせる理由

かわいい子には旅をさせる理由

のんびりとしたお正月を自宅ですごしていたら、あーちん(15歳)が「友達が大阪に遊びに来ないかって言ってるんだけど」とスマホの画面を見ながら言う。

学校の友達が、年末からお母さんの故郷に帰省しているのだけど、ヒマすぎて帰りたい、はやくあーちんと遊びたいと言っていて、お母さんも「ひとりで帰すわけにいかないから、それなら大阪に来てもらえば?」という話らしい。

「へー、行ってくれば?」と返すと、「えっ

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編集者、最強なのでは?という仮説

編集者、最強なのでは?という仮説

わたしは「やりたいこと」が特にない(叶え組)ので、何かをはじめるときの動機は「これがしたい」ではなく「わからないからわかりたい」ということが多い。そして、あとから「ああ、こういうことか!」と自分のしてきたことがわかる。というのがいつものパターンだ。

「編集」について勉強してきたことも、はじめはいったい何がしたいのか自分でもわかっていなかったのだけど、振り返ってわかったことを少し書いておこうと思う

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20歳の「なんかちがう」は正解だった。

20歳の「なんかちがう」は正解だった。

成人の日か、と自分の成人式の日のことを思い出してみようとしたのだけど、その日になにがあって誰と会ったのか、不思議なほど覚えていないので驚いた。ただ、その頃いつも抱えていた「なんかちがう」という感覚だけは覚えている。

20歳当時はまだ学生(専門学校の2年生)で、その年の4月に某パティスリーに就職が決まっている時期だった。すでにそのお店でアルバイトもしていた。就職したら朝から晩まで長時間働いて月給1

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