炎症反応に関連する性格

私たちは,いつ病気になるか予想ができません。誰もが健康なまま高齢にまで至るかもしれませんし,突然何かの病気にかかって苦しむかもしれません。

同じような生活をしていても,健康に生きられる人もいれば,病に倒れる人もいます。どうなるのか,自分の体でもそうそう予想はつかないのに,つい私たちは「その人のせいだ」と考えてしまいがちです。


では「病気が性格に関連する」と言われたらどう思いますか?因果関係をどう考えて,どう評価すれば良いのでしょうね。考えてみるとこういう研究は,私たちの価値観を揺さぶるようなことにも繋がりかねません。

インターロイキン6と性格

身体に炎症反応が生じると,特定な生理的な物質が多く生じることが知られています。そういう物質を実際に測定して,パーソナリティ特性との関連を検討してみたらどうなるでしょうか。これもまた論文のタイトルを読むだけで結果が分かってしまう研究なのですが......この論文です(High neuroticism and low conscientiousness are associated with interleukin-6)。

高い神経症傾向と低い勤勉性が,健康に関連するリスクに関連することがこれまでの研究でも良く示されています。これらは過剰な飲酒や喫煙を抑制するパーソナリティ要因として知られています。身体の健康だけでなく,死亡についても特に勤勉性が関連することがこれまでに報告されています。

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