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音楽の好みと性格

皆さんはどんな音楽を聴くのが好きでしょうか。日本のポップスですか?もっとハードな曲でしょうか。それとも,バックグラウンドミュージックのように流れていても邪魔にならないような静かな曲でしょうか。あるいはそもそも音楽を聴かないとか。

人によって,音楽の聴き方,楽しみ方にも色々なパターンがあります。こういうパターンの違いがあるような現象は,心理学的な個人差とも関連する可能性があります。

自分の音楽の好み史

私が物心ついた頃,父親世代は大きなステレオをこだわってセッティングしてレコードを聴くのが趣味として流行っていました。父親も大きなスピーカーのステレオセットを持っていて,ごくたまにでしたが音楽を聴かせてくれました(大音量でかけるので母親に怒られていましたが......)。電気関係の仕事をしていましたので,セッティング自体も趣味のようでしたが。

小学生のころのテレビは歌番組全盛で,テレビのスピーカーにラジカセを近づけてカセットテープに録音するという,当時は当たり前でしたが今考えると不思議な行為を,当時の人たちはよくやっていたのではないでしょうか。もちろん私もよくやっていました。

中学生の頃になるとレコードのレンタル屋さんに行くようになりました。聴いていたのはだいたい日本のポップスかロックで,父親のステレオからカセットテープに音楽をダビングして,ラジカセで曲を聞いていました。

大学生くらいになるとCDが普及してきました。

大学生の時にまず聴きまくっていたのはビートルズで,そこから歴史をたどるようにロックを聴いていき,大学院生くらいの頃にはブリットポップにハマっていきました。ブラーやオアシスですね。

働き始めてしばらくすると,アメリカの音楽好きの某心理学者と知り合いました。「こういう曲が好みだ」という話をしていると,「きっとお前はこういうジャンルが好きだろう」と言われたのがサイケデリック・ロックというジャンルです。ええ,確かに好みです。

しかも彼は,サイケデリック風味の利いたインディーズのバンドをいくつか紹介してくれました。そして,そこから曲調が似た関連するバンドの曲をずっと聞いていきました。あまり知られていないマイナーなバンドの曲をずいぶん聴いたものです。

そうこうしている間に,CDではなくオンラインで曲を聴く時代になってきました。もう大半を処分してしまったのですが,家の本棚には数百枚のCDがありました。それを処分してしまったのは,音楽の聴き方が変わってしまったからですね。

ストリーミング

最近の音楽の聴き方は,Alexaに話しかける方式です。子どもたちは完全にそれに慣れてしまっていて,「USポップかけて」と言えば,最新のヒットチャートのプレイリストをかけてくれます。アーティストやバンドの名前を言えば,曲を見つくろってかけてくれます。どうしても特定の曲を聴きたい時にはアプリかブラウザを操作します。

CDをケースから取り出す必要もありませんし,プレイリストは誰かが更新してくれますので,飽きることもありません。

ずいぶん,曲の聴き方は変わったものです。

こういう時代は,以前に比べると「こんな曲もあったのか」という体験をしやすくなっているのでしょうか,それともしにくくなっているのでしょうか。リンクを辿るように新しい曲を知ることもできそうですが,ショップでジャケットだけを見て買ってじっくり聴いてみて好きになるような行為はなくなり,すぐに判断してしまいそうです。

音楽ジャンルの研究

音楽のジャンルの好みと性格との関連の研究は,世界中で意外とたくさんされています。実は私自身,以前に音楽の好みと二分法的思考の論文を書いたことがあるのですよね。二分法的志向の強い人は,比較的シンプルな曲調の音楽が好きなのかもしれません。

オランダの研究

オランダの青年を対象に行われた調査を分析した研究もあります。この論文(Adolescents' Music preferences and personality characteristics)です。

この研究では,12歳から19歳のオランダの2,334名の若者を対象に,音楽ジャンルの好みとビッグ・ファイブ・パーソナリティとの関連を調査しています。

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