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アフリカの子どもたちの希望

20世紀を通じて,心理学の研究の中心は北米へと移っていました。最近では,中国の研究者たちが行う研究数もどんどん増えていて,中国らしい著者の論文は本当に多くなっています。とはいえ,中国に滞在している研究者とも限りません。欧米にも多くの中国からの留学生が滞在して,研究活動を行っています。

WEIRDバイアス

2008年にアメリカ心理学会が,"WEIRD"ということばを使って注意を喚起しました。この言葉は,Western,Educated,Industrialized,Rich,Democraticの頭文字をとったものです。欧米で,教育水準が高く,都市部で裕福で民主的な国・地域ばかりで心理学のデータがとられていることによって,研究結果が歪められているのではないかという注意喚起です。

そういう意味で,欧米以外の調査対象者で研究を行うことは,一定の価値があると主張することも可能です。

南アフリカ共和国

近年,アフリカ地域の研究も増えている印象があります。今回は,アフリカ最南端に位置する南アフリカ共和国の研究を見てみましょう。

南アフリカ共和国といえば,ラグビーを描いた映画『インビクタス』も良かったですね。

また,南アフリカ共和国出身のアメリカで人気のコメディアン,トレバー・ノアの自伝も良かったです。日本とはかけ離れた南アフリカ共和国での生活の様子が描かれていて,とても興味深い本です。

南アフリカ共和国の子どもたちの希望

では,この論文を見てみましょう(Children’s Hope in South Africa: A Population-Based Study)。南アフリカ共和国の子どもたちを対象にした研究です。

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