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世界中に広がる青年期の孤独感

2010年代くらいから,アメリカ合衆国の青少年たちには孤独感が蔓延してきている,という話があるそうです。特に男子よりも女子の間で,孤独感を抱く人が増えているのだとか。

なんとなく「ありそうだな」と思う反面,そのことに本当に安定したエビデンス(証拠)があるのだろうか?という疑問はつねに頭の片隅にあります。


公開データセット

こういう疑問が浮かんだときに,「どうやったら研究できるだろう」と考えることも大切です。自分自身で調査をしても,本当に知りたいことを知るには限界があったりもします。

そんなとき,データが公開されていたり,研究目的で使用できるデータセットの中に,研究目的に適ったものがあるとありがたいものです。

思春期の孤独感

OECD(経済協力開発機構)が行っている生徒のPISA(Programme for International Student Assessment)と呼ばれる学習到達度調査があります。各国で数年おきに,15歳を対象に行われている調査です。その中に,孤独感や幸福度の指標があって,うまく分析すれば数十か国の青年たちの様子を比較することができます。さらにこの調査は各国で数年おきに行われていますので,経年比較をすることもできるというわけです。

では,こちらの論文を見てみましょう(Worldwide increases in adolescent loneliness)。

PISAの調査の中には,学校を対象とした質問票と,生徒を対象にした質問票があります。

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